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仕入れ資金による調達

分割受注したときの入金表テンプレート|Excelで資金の谷を出す

営業黒字192万円でも、8か月目に現金が▲121万円。原価は先に出て入金は分割される構造を、受注した案件を入れるだけで月次で出すExcelテンプレートです。

公開:2026年9月14日 Creww Finance Media 編集部
この記事の内容

  1. 後払いで受注すると、原価だけが先に出る
  2. 入金表をダウンロードする
  3. 表に入れる5つの前提
  4. 数字で見る|営業黒字192万円でも、8か月目に▲121万円
  5. 一括で受け取った場合と比べる
  6. 受注が増えるほど、谷は深くなる
  7. いつ現金が戻るのか
  8. 原価がいつ出るかで、谷の深さが変わる
  9. 入金サイトを1か月縮める効果
  10. 分割回数をどう決めるか
  11. 未回収の残高を管理する
  12. 貸倒れのリスク
  13. 谷を埋める手段
  14. 受注の判断に入れる
  15. 会計上の利益と、現金は一致しない
  16. 相手が倒産したときに何が起きるか
  17. 使い方の手順
  18. チェックリスト
  19. よくある質問

後払いで受注すると、原価だけが先に出る

分割払いや後払いで受注すると、外注費や仕入れは契約した月に出ていき、入金は何か月にも分かれます。

営業損益が黒字でも、現金はマイナスになる

この記事のテンプレートの初期値は、24か月の営業損益が+192万円の会社です。それでも8か月目に累積の現金が▲121万円になります。

入金サイト請求から入金までの期間。分割の初回もこの分だけ後ろにずれる。
累積の谷累積の現金が最も低くなる金額。用意すべき資金の目安。
未回収の残高受注したが、まだ入金されていない金額。
この章の要点

原価は先、入金は後。黒字でも現金は沈みます。

入金表をダウンロードする

受注した案件を入れると、月ごとの入金と累積の現金が自動で出る表です。

TEMPLATE 分割受注したときの入金表

5シート構成。「1 前提」に粗利率・入金サイト・固定費、「2 案件一覧」に受注した案件(受注月・金額・分割回数)を入れると、「3 月次の入出金」に累積の現金と谷が自動で出ます。分割回数をすべて1にすれば、一括の場合と比べられます。

分割受注したときの入金表

前提:粗利率40% / 原価は受注と同月に発生 / 入金サイト1か月 / 固定費20万円/月 / 期首現金300万円

分類項目受注月受注金額(円)分割回数1回あたりの入金額
案件A社 システム導入13,000,00012250,000
案件B社 制作一式21,200,0006200,000
案件C社 導入支援42,400,00012200,000
案件D社 保守契約6900,0006150,000
案件E社 システム導入83,600,00024150,000
案件F社 制作一式101,500,00012125,000
案件G社 導入支援132,400,00012200,000
案件H社 制作一式161,800,00012150,000
合計——16,800,000——

月次の入出金

月入金原価の支払い固定費単月の収支累積の現金
101,800,000200,000-20000001,000,000
2250,000720,000200,000-670000330,000
3450,0000200,000250,000580,000
4450,0001,440,000200,000-1190000-610000
5650,0000200,000450,000-160000
6650,000540,000200,000-90000-250000
7800,0000200,000600,000350,000
8800,0002,160,000200,000-1560000-1210000
9750,0000200,000550,000-660000
10750,000900,000200,000-350000-1010000
11875,0000200,000675,000-335000
12875,0000200,000675,000340,000
13725,0001,440,000200,000-915000-575000
14675,0000200,000475,000-100000
15675,0000200,000475,000375,000
16675,0001,080,000200,000-605000-230000
17625,0000200,000425,000195,000
18625,0000200,000425,000620,000
19625,0000200,000425,0001,045,000
20625,0000200,000425,0001,470,000
21625,0000200,000425,0001,895,000
22625,0000200,000425,0002,320,000
23500,0000200,000300,0002,620,000
24500,0000200,000300,0002,920,000

結果

※受注総額16800000
※粗利(40%)6,720,000
※24か月の固定費4,800,000
※営業損益1,920,000黒字
※累積の谷-12100008か月目
※24か月目の現金2,920,000
※24か月で入金された額14,800,000
※未回収の残高2,000,00025か月目以降に入る
※一括で受け取った場合の谷1,000,000マイナスにならない
※分割で増える必要資金2,210,000

Excel版は、株数と1株あたり金額を入れると持株比率が自動で出ます。 入力するところは水色、自動で計算されるところはグレーに塗り分けてあります。 1枚目に使い方、最後に用語集が入っています。

コピーを押すと、タブ区切りでクリップボードに入ります。 Googleスプレッドシートに貼ると列が揃ったまま入ります(計算式は入りません)。

入っている数字はすべて記入例です。実在の会社のものではありません。 自社の数字に置き換えて使ってください。

シート 何をするか
はじめに 使い方と、入れてはいけない数字
1 前提 粗利率・原価の時期・入金サイト・固定費・期首現金
2 案件一覧 受注月・金額・分割回数を入れる
3 月次の入出金 24か月分の累積と、谷が出る
4 一括と分割の比較 分割で増える必要資金を出す
用語と計算式 各項目の定義
入力するのは、受注済みの案件だけ

見込みの案件を入れると、表は必ず「足りている」と出ます。確定した受注だけを入れてください。

この章の要点

入力は前提5項目と、受注済みの案件だけです。

表に入れる5つの前提

前提 意味 初期値
粗利率 原価の金額を決める 40%
原価が出る月 受注と同月なら0、翌月なら1 0
入金サイト 請求から入金までの月数 1か月
月々の固定費 人件費・家賃など 20万円
期首の現金 スタート時点の残高 300万円
2番目を、実態に合わせる

外注費の支払いが受注の翌月なら1、翌々月なら2です。ここを1か月ずらすだけで、谷の深さは変わります。

この章の要点

原価が出る月を、実態に合わせてください。

数字で見る|営業黒字192万円でも、8か月目に▲121万円

初期値の8案件(受注総額1,680万円)での動きです。

月 入金 原価 単月 累積
1 0 180万円 −200万円 100万円
2 25万円 72万円 −67万円 33万円
4 45万円 144万円 −119万円 −61万円
6 65万円 54万円 −9万円 −25万円
8 80万円 216万円 −156万円 −121万円
12 87.5万円 0 +67.5万円 34万円
13 72.5万円 144万円 −91.5万円 −57.5万円
18 62.5万円 0 +42.5万円 62万円
24 50万円 0 +30万円 292万円
+192万円24か月の営業損益
−121万円累積の谷(8か月目)
292万円24か月目の現金

受注総額1,680万円、粗利672万円、24か月の固定費480万円。営業損益は+192万円の黒字です。それでも4か月目と8か月目に現金がマイナスになります。

原価が出た月に、谷ができる

8か月目はE社の案件(360万円)の原価216万円が出た月です。入金は24回に分かれるのに、原価は一度に出ます。

この章の要点

谷ができるのは、原価が出た月です。

一括で受け取った場合と比べる

同じ8案件を、すべて一括で受け取った場合です。

項目 分割 一括 差
累積の谷 −121万円 +100万円 221万円
24か月目の現金 292万円 492万円 200万円
24か月で入金された額 1,480万円 1,680万円 200万円
粗利の総額 672万円 672万円 同じ
分割で増える必要資金は221万円

一括なら累積はマイナスになりません。分割にしたことで、221万円の資金を別に用意する必要が生まれます。粗利は変わらないのにです。

テンプレートで確かめる場合は、「2 案件一覧」の分割回数をすべて1にして、谷の値を見てください。元に戻せば分割の谷が戻ります。

この章の要点

分割で増える必要資金は221万円。粗利は同じです。

受注が増えるほど、谷は深くなる

状況 何が起きるか
受注が増える 原価の先払いも増える
案件が同じ月に重なる その月の谷が深くなる
分割回数が長い案件が増える 回収が遅くなる
大型案件が入る 単独で谷を作る
「売れているのに苦しい」の正体

受注が伸びるほど、先に出る原価も比例して増えます。粗利は出ているのに現金が足りない——という状態は、この構造から生まれます。

テンプレートに「これから取る予定の案件」を追加して試算してください。受注計画を達成したときに、資金が持つかどうかが分かります。

同じ構造は 広告費の先行投資を、どこまで現金で持つか の記事でも扱っています。

この章の要点

受注が増えるほど谷も深くなります。

いつ現金が戻るのか

月 累積の現金 状態
1〜3 +100万〜+58万円 期首の残高で持っている
4〜6 −61万〜−25万円 マイナス
7 +35万円 一時的に回復
8〜11 −121万〜−33.5万円 マイナス
12 +34万円 回復
13〜14 −57.5万〜−10万円 マイナス
15以降 +37.5万円〜 安定してプラス
プラスとマイナスを行き来する

新しい案件を取るたびに原価が出るため、回復してもまた沈みます。安定してプラスになるのは、初期の案件からの入金が積み上がってからです。

だから見るべきは「いつか黒字になるか」ではなく「マイナスの期間を越えられるか」です。谷の深さと、その期間の長さの両方を確認してください。

この章の要点

見るのは谷の深さと、その期間の長さです。

原価がいつ出るかで、谷の深さが変わる

原価が出る時期 効果
受注と同月(0) 谷が最も深い
翌月(1) 1か月分の余裕ができる
翌々月(2) 入金の開始と近づく
外注先への支払いを1か月後ろにできれば、谷は浅くなる

入金サイトが1か月なら、原価の支払いを翌月にするだけで、最初の入金と同じ月に揃います。テンプレートの「原価が出る月」を1にして確かめてください。

ただし、下請法が適用される取引では支払期日に制限があります。受領日から60日以内、かつできる限り短く、と定められています。

支払いを遅らせる判断は 仕入先への支払いを遅らせると、何と引き換えになるか の記事で扱っています。

この章の要点

原価の支払いを1か月後ろに。下請法の制限は確認を。

入金サイトを1か月縮める効果

やること 効果
請求を締め日の翌日に出す 交渉不要で入金が早まる
初回の請求を契約と同時に出す 分割の1回目を1か月早める
検収の遅れをなくす —
支払サイトの短縮を交渉する 相手しだい
着手金を設定する 原価と同じ月に現金が入る
着手金が、いちばん構造的に効く

原価が出る月に一部でも入金があれば、谷はその分だけ浅くなります。分割の1回目を「契約時」にするだけでも効果があります。

テンプレートで「入金サイト」を0にすると、分割の1回目が受注と同じ月に入る計算になります。その場合の谷を確かめてください。

請求のタイミングは 請求書の発行タイミングを1日早める効果 の記事で扱っています。

この章の要点

着手金が、谷を浅くする最も確実な方法です。

分割回数をどう決めるか

回数 相手にとって 自社にとって
6回 1回が大きい 回収が早い
12回 — —
24回 1回が小さい 回収が遅い・貸倒れリスクが長い
回数は、相手の決裁に収まる範囲で最短にする

相手が求めているのは「1回の金額を下げること」です。決裁の区切りに収まる最少の回数にすれば、自社の回収は早くなります。

決裁の区切りに合わせる考え方は 高額商材が失注する理由は、価格ではなく支払い方 の記事で扱っています。

また、回数が長いほど貸倒れのリスクを負う期間も長くなります。24回なら2年間、相手の支払能力に依存します。

この章の要点

回数は決裁に収まる範囲で最短にしてください。

未回収の残高を管理する

項目 初期値の例
受注の総額 1,680万円
24か月で入金された額 1,480万円
未回収の残高 200万円
未回収の残高は、貸倒れのリスクの総量

この200万円は、まだ受け取っていない、相手の支払能力に依存している金額です。受注が増えるほど、この残高も増えます。

残高は取引先ごとに管理してください。1社に集中していると、その1社が払えなくなったときの影響が大きくなります。

債権の管理方法は 債権年齢表の作り方と、見るべき兆候 の記事で、テンプレートとあわせて扱っています。

この章の要点

未回収の残高=貸倒れリスクの総量です。

貸倒れのリスク

備え 内容
与信を確認してから受注する 決算書・信用情報
期限の利益喪失条項を入れる 1回滞納したら残額を一括請求できる
所有権留保・利用停止の条項 払われない場合に止められるか
連帯保証 —
取引信用保険 件数が多い場合
1社あたりの上限を決める 集中を避ける
期限の利益喪失条項は必ず入れる

これがないと、滞納が続いても各回の期日ごとにしか請求できません。残額を一括で請求できる条項を、契約書に入れてください。

与信管理の方法は 与信管理を最小の手間で回す の記事で扱っています。

この章の要点

期限の利益喪失条項を、契約書に必ず入れてください。

谷を埋める手段

順 手段 費用
1 着手金を設定する なし
2 分割回数を短くする なし
3 原価の支払いを後ろにする なし(制約あり)
4 請求を早く出す なし
5 当座貸越の枠を作る 使った分だけ
6 短期の運転資金融資 金利
7 受注のペースを落とす 機会損失
枠は、受注を伸ばす前に作る

受注が増えるほど谷は深くなります。伸ばす計画があるなら、その前に枠を用意してください。足りなくなってからでは間に合いません。

枠の種類は コミットメントラインと当座貸越枠の使い分け の記事で扱っています。

この章の要点

枠は受注を伸ばす前に作ってください。

受注の判断に入れる

確認すること 内容
その案件を受けたら、谷はどうなるか テンプレートに追加して試算
谷の金額を用意できるか 手元資金+枠
相手の与信は足りるか —
同じ月に原価が重ならないか 着手時期をずらせないか
粗利率は基準を満たすか —
受注の前に、谷を計算する

粗利が出る案件でも、原価の支払いを越えられなければ受けられません。受注の判断に、資金繰りの確認を入れてください。

4番目は実務的です。大型案件の着手を1か月ずらすだけで、原価の重なりを避けられることがあります。

この章の要点

受注の前に谷を計算してください。

会計上の利益と、現金は一致しない

この表が示しているのは現金の動きです。損益計算書の数字とは別物です。

項目 会計上(損益) 現金
売上の計上 役務の提供時 入金時
原価の計上 売上に対応させる 支払時
分割払いの影響 原則として影響しない 大きく影響する
未回収の残高 売掛金として資産 まだ現金ではない
決算書が黒字でも、現金は足りないことがある

分割にしても売上と粗利は変わりません。変わるのは現金が入る時期だけです。だから損益計算書を見ているだけでは、この谷は見えません。

具体的な収益の認識時期は、契約の内容と役務の提供時期で決まります。分割払いにしても、売上の計上が分割されるとは限りません。税理士に確認してください。

また、売上が先に立つと、現金が入る前に税金がかかります。納税の時期も資金繰り表に入れてください。

この章の要点

損益では見えません。現金の表を別に持ってください。

相手が倒産したときに何が起きるか

状況 失うもの
一括で受け取っていた ない(受領済み)
12回のうち3回受け取った 残り9回分
24回のうち3回受け取った 残り21回分
原価はすでに払い終えている

分割で受注した場合、原価は最初に全額出ています。途中で払われなくなれば、原価の分がそのまま損失になります。

例のE社の案件(360万円・24回)なら、原価216万円をすでに払っています。3回(45万円)受け取った時点で倒産すれば、171万円の損失です。

だから分割の期間が長いほど、与信の確認を厳しくする必要があります。24回の契約は、2年間その会社の信用に依存するということです。

この章の要点

分割の期間が長いほど、与信の確認を厳しく。

使い方の手順

順 やること
1 「1 前提」に粗利率・原価の時期・入金サイト・固定費・期首現金を入れる
2 「2 案件一覧」に受注済みの案件だけを入れる
3 「3 月次の入出金」で累積の谷を確認する
4 分割回数をすべて1にして、一括の場合の谷を控える
5 元に戻し、差額を「4 一括と分割の比較」に書き入れる
6 これから取る予定の案件を追加して、谷を再計算する
7 谷の金額を用意できるか確認する
8 毎月、実績を入れて更新する
6番が、いちばん重要

今の受注だけなら足りていても、受注計画を達成したときに資金が持つかは別の話です。伸ばす前に確認してください。

この章の要点

これから取る案件を入れて、谷を再計算してください。

チェックリスト

分割で受注するとき

  • 粗利率を実績で確認した
  • 原価が実際にいつ出るかを確認した
  • 入金サイトを実績の入金日で確認した
  • 固定費に税金・社会保険料・返済を含めた
  • 受注済みの案件だけを入れた
  • 累積の谷の深さと、その月を確認した
  • 分割回数を1にして、一括の場合と比べた
  • 分割で増える必要資金を出した
  • これから取る予定の案件を追加して再計算した
  • 谷の金額を用意できるか確認した
  • 着手金を設定できないか検討した
  • 分割回数を、決裁に収まる範囲で最短にした
  • 原価の支払いを後ろにできないか検討した(下請法の制限を確認)
  • 未回収の残高を取引先ごとに管理している
  • 期限の利益喪失条項を契約書に入れた
  • 1社あたりの未回収残高の上限を決めた
  • 納税の時期を資金繰り表に入れた
  • 分割期間が長い案件ほど、与信の確認を厳しくしている
  • 受注を伸ばす前に、当座貸越の枠を用意した
この章の要点

9番と15番。この2つが、成長と回収を守ります。

よくある質問

Q. 分割で受注すると、何が起きるのですか
外注費や仕入れは契約した月に出ていき、入金は何か月にも分かれます。テンプレートの初期値は24か月の営業損益が+192万円の黒字ですが、8か月目に累積の現金が▲121万円になります。
Q. 一括と比べて、いくら資金が余分に要りますか
例では221万円です。一括なら累積はマイナスになりませんが、分割にすると▲121万円まで沈みます。粗利の総額は672万円で変わりません。
Q. なぜ特定の月に谷ができるのですか
原価が出た月だからです。例の8か月目は360万円の案件の原価216万円が出た月です。入金は24回に分かれるのに、原価は一度に出ます。
Q. 受注が増えれば解決しますか
逆です。受注が増えるほど、先に出る原価も比例して増えます。「売れているのに苦しい」という状態は、この構造から生まれます。受注計画を入れて試算してください。
Q. 谷を浅くするには、まず何をしますか
着手金の設定です。原価が出る月に一部でも入金があれば、谷はその分だけ浅くなります。分割の1回目を「契約時」にするだけでも効果があります。
Q. 原価の支払いを遅らせてもよいですか
効果はあります。入金サイトが1か月なら、原価の支払いを翌月にするだけで最初の入金と同じ月に揃います。ただし下請法が適用される取引では、支払期日は受領日から60日以内で、かつできる限り短くと定められています。
Q. 分割回数は何回がよいですか
相手の決裁に収まる範囲で最短にしてください。相手が求めているのは1回の金額を下げることです。回数が長いほど回収は遅くなり、貸倒れのリスクを負う期間も長くなります。
Q. 未回収の残高は何を意味しますか
まだ受け取っていない、相手の支払能力に依存している金額です。例では24か月時点で200万円あります。受注が増えるほど残高も増えるため、取引先ごとに管理し、1社への集中を避けてください。
Q. 途中で払われなくなったらどうしますか
期限の利益喪失条項を契約書に入れておいてください。これがないと、滞納が続いても各回の期日ごとにしか請求できません。残額を一括で請求できる条項が必要です。
Q. 谷を埋める手段の順序は
費用のかからない順です。着手金の設定、分割回数の短縮、原価の支払いを後ろに、請求を早く出す。それでも足りなければ当座貸越の枠を作ります。枠は受注を伸ばす前に用意してください。
Q. 受注を断るべき場合はありますか
粗利が出る案件でも、原価の支払いを越えられなければ受けられません。受注の判断に資金繰りの確認を入れてください。また、大型案件の着手を1か月ずらすだけで原価の重なりを避けられることがあります。
Q. 表には見込みの案件も入れてよいですか
現状の確認には受注済みだけを入れてください。見込みを入れると必ず「足りている」と出ます。ただし計画の検証として、これから取る予定の案件を別に追加して再計算するのは有効です。
Q. 決算書が黒字なら大丈夫ですか
別の話です。分割にしても売上と粗利は変わらず、変わるのは現金が入る時期だけです。だから損益計算書を見ているだけではこの谷は見えません。また売上が先に立つと、現金が入る前に税金がかかります。
Q. 相手が途中で倒産したら、いくら失いますか
原価はすでに全額払っています。例のE社(360万円・24回、原価216万円)なら、3回(45万円)受け取った時点で倒産すれば171万円の損失です。分割の期間が長いほど、与信の確認を厳しくしてください。

相手の支払条件を変えずに入金を早める方法は 相手の支払い条件に合わせても、入金を早める方法 の記事で扱っています。

出典