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事業計画の数値テンプレート|入れる数字と入れてはいけない数字

単価と数量を入れれば月次損益と返済原資まで出るExcelを配布します。売上の分解、損益分岐点、損益計画と資金繰り計画の違い、入れてはいけない6つの数字を整理します。

公開:2026年9月14日 Creww Finance Media 編集部
この記事の内容

  1. 数値計画は、文章より先に読まれる
  2. 銀行が見ているのは3つだけ
  3. 売上は「単価×数量」に分解する
  4. 数字で見る|総額で書くと、何が起きるか
  5. テンプレート(計算式入りExcel)
  6. 費用は、固定費と変動費に分ける
  7. 損益分岐点を、自分で計算する
  8. 返済原資を、計画の中に書く
  9. 損益計画と、資金繰り計画は別物
  10. 入れてはいけない数字①|根拠のない売上
  11. 入れてはいけない数字②|右肩上がりだけの計画
  12. 入れてはいけない数字③|固定費が実態より小さい
  13. 入れてはいけない数字④⑤⑥
  14. 前に出した計画との整合
  15. 計画を出した後にやること
  16. チェックリスト
  17. よくある質問

数値計画は、文章より先に読まれる

事業計画書には、事業の内容、市場、競合、体制など、多くのことを書きます。しかし融資の審査で最初に読まれるのは、数値計画の部分です。

理由は単純で、担当者が稟議書に転記するのが、その数字だからです。事業の魅力をどれだけ丁寧に書いても、返済の裏づけになる数字がなければ、稟議書の欄は埋まりません。

数値計画売上・費用・利益、資金繰りの見通しを数字で示した部分。
変動費売上に比例して増減する費用。仕入原価、外注費など。
固定費売上にかかわらず毎月かかる費用。人件費、家賃など。
損益分岐点売上利益がちょうどゼロになる売上高。
文章は、数字の説明として書く

順序が逆になっている計画書をよく見ます。先に数字を組み立て、その数字がなぜそうなるのかを文章で説明する——この順で作ると、全体の整合が取れます。

この章の要点

最初に読まれるのは数値計画。文章は、その数字の説明として書いてください。

銀行が見ているのは3つだけ

数値計画に対する問いは、突き詰めると3つです。

問い 答えるもの 示し方
1. その売上は、どこから来るのか 売上の根拠 単価 × 数量の積み上げ
2. 本当にその費用で足りるのか 費用の妥当性 固定費の内訳、変動費率
3. いつから、いくら返せるのか 返済原資 簡易キャッシュフローと返済額の比較

このうち、多くの計画書で欠けているのが3番目です。売上と利益の計画は書いてあるのに、「その利益から、この借入をどう返すのか」が書かれていません。

利益と返済可能額が別物であることは 返済原資の説明 の記事で扱っています。元本の返済は損金にならないため、返済額と同じだけ利益が出ていても足りません。

この章の要点

問いは3つ。欠けやすいのは「いつから、いくら返せるのか」です。

売上は「単価×数量」に分解する

売上計画でもっとも重要なのは、総額ではなく、分解されているかです。

書き方 読まれ方
「初年度 売上2,160万円」 根拠がない。どこから出た数字か分からない
「月額サービス、既存20社+新規月2社」 やや前進。単価が不明
「月額5万円 × 20社 = 月100万円、受託案件 80万円 × 月1件」 検証できる。数量の前提を議論できる

分解する利点は、議論ができるようになることです。「月2社の新規獲得は、今の営業体制で可能か」という問いに対して、根拠を示せます。総額で書かれていると、この議論そのものが成立しません。

分解すると、自分でも気づく

単価と数量に分けると、自分でも無理な前提に気づきます。「年間3,000万円」は言えても、「月15件を12か月」と書くと、その体制がないことが見えてきます。銀行に出す前に、自分の検証になります。

この章の要点

単価 × 数量に分解する。分解して初めて、議論と検証ができます。

数字で見る|総額で書くと、何が起きるか

同じ売上2,160万円を、2つの書き方で比べます。

項目 A:総額で書いた場合 B:分解して書いた場合
記載 年間売上 2,160万円 月額サービス 5万円×20社+受託 80万円×月1件
担当者の作業 根拠を聞き取る必要がある そのまま稟議書に書ける
議論 「多すぎませんか」で終わる 「20社の内訳は」と具体的に進む
感度の確認 できない 「15社なら」と計算し直せる
実績との比較 売上総額だけ 件数と単価のどちらがずれたか分かる

最後の行が、実は長期的にいちばん効きます。計画と実績がずれたとき、原因を件数か単価かに切り分けて説明できるためです。「売上が届きませんでした」ではなく「単価は計画どおりでしたが、件数が月1.5件でした」と言えると、計画の精度そのものへの信頼が変わります。

2,160万円同じ売上
1行Aの情報量
4つの変数Bの情報量
この章の要点

分解しておくと、ずれた原因を切り分けて説明できます。次の計画の信用につながります。

テンプレート(計算式入りExcel)

ここまでの考え方をそのまま形にしたテンプレートです。単価と数量、固定費を入れれば、月次の損益と返済原資まで自動で計算されます。

TEMPLATE 事業計画の数値テンプレート

水色の欄に入力すると、グレーの欄が自動で計算されます。Excel版には計算式が入っています。

1 売上計画(商品・サービスごとに、単価と数量で)

商品・サービス単価月間数量月間売上年間売上
(例)月額サービスA50,000201,000,00012,000,000
(例)受託案件B800,0001800,0009,600,000
合計1,800,00021,600,000

2 費用計画(変動費率と、毎月の固定費)

区分項目月額年額メモ
変動費売上に対する割合(%)30仕入・外注など売上に比例する費用
固定費役員報酬
固定費給与・賞与
固定費法定福利費
固定費地代家賃
固定費水道光熱費
固定費通信費
固定費広告宣伝費
固定費支払手数料
固定費減価償却費返済原資の計算に使うので必ず入れる
固定費その他
固定費合計

3 月次損益(1と2から計算する)

項目計算のしかた
売上高1 売上計画の月別合計
変動費売上高 × 変動費率
売上総利益売上高 - 変動費
固定費2 費用計画の固定費合計(月額)
営業利益売上総利益 - 固定費
累計営業利益前月の累計 + 当月の営業利益

4 返済原資(返せるかどうかの確認)

項目金額計算のしかた
営業利益(年間)3 月次損益の年間合計
減価償却費(年間)2 費用計画の減価償却費の年額
法人税等の負担率(%)30概算。税理士に確認する
税引後利益営業利益 × (1 - 税率)
簡易キャッシュフロー税引後利益 + 減価償却費
年間の元本返済額すべての借入の元本返済額の合計
過不足簡易キャッシュフロー - 年間の元本返済額
必要な税引前利益(年間の元本返済額 - 減価償却費) ÷ (1 - 税率)

5 入れてはいけない数字(提出前の確認)

確認すること内容
根拠のない売上市場規模の何%という置き方。単価×数量に分解できているか
右肩上がりだけの計画季節性も失注も織り込んでいない計画になっていないか
固定費が実態より小さい人を増やす前提の売上なのに人件費が増えていないか
減価償却費の計上漏れ設備があるのに償却費が入っていないか
前回の計画と整合しない前に出した計画と説明が食い違っていないか
達成できない数字後で実績と比べられることを前提に置いているか

Excel版は、株数と1株あたり金額を入れると持株比率が自動で出ます。 入力するところは水色、自動で計算されるところはグレーに塗り分けてあります。 1枚目に使い方、最後に用語集が入っています。

コピーを押すと、タブ区切りでクリップボードに入ります。 Googleスプレッドシートに貼ると列が揃ったまま入ります(計算式は入りません)。

入っている数字はすべて記入例です。実在の会社のものではありません。 自社の数字に置き換えて使ってください。

シート やること
はじめに 使い方の3ステップ。最初に読む
1 売上計画 商品・サービスごとに、単価と各月の数量を入れる
2 費用計画 変動費率と、固定費の月額を入れる
3 月次損益 自動計算。累計がプラスに転じる月を確認する
4 返済原資 年間の元本返済額を入れると、足りるかどうかが出る
入れてはいけない数字 提出前の確認

入力するのは1と2、それに4の返済額だけです。3は完全に自動で、4も返済額を入れれば過不足と必要な税引前利益まで出ます。

金額の単位は決めて統一してください。途中で単位を変えると、計算結果が合わなくなります。

この章の要点

入力するのは単価・数量・固定費・返済額の4つだけです。

費用は、固定費と変動費に分ける

費用を一括りにすると、売上が変わったときの利益が計算できません。売上に比例して増えるもの(変動費)と、増えないもの(固定費)に分けてください。

区分 代表的なもの 売上が2倍になると
変動費 仕入原価、外注費、販売手数料、運賃 おおむね2倍になる
固定費 役員報酬、給与、家賃、保険料、減価償却費 基本的に変わらない

実務では、きれいに分かれないものもあります。厳密さより、分けてあることのほうが重要です。迷うものは、比率が大きいほうに寄せてかまいません。

減価償却費を忘れない

計上漏れが最も多いのがここです。設備があるのに償却費が入っていないと、利益が実態より大きく出ます。さらに、返済原資の計算にも使う数字なので、無いと計画そのものが組めません。

この章の要点

厳密さより分けてあること。減価償却費の計上漏れに注意してください。

損益分岐点を、自分で計算する

固定費と変動費に分けると、いくら売れば赤字にならないかが計算できます。

損益分岐点売上 = 固定費 ÷ 売上総利益率

売上総利益率は「1 - 変動費率」です。変動費率が30%なら、売上総利益率は70%になります。

項目 金額
月間の固定費 700万円
変動費率 30%
売上総利益率 70%
損益分岐点売上(月) 1,000万円

ここで変動費率が30%から35%に上がると、売上総利益率は65%になり、損益分岐点は700万円 ÷ 0.65 = 約1,077万円に上がります。

1,000万円変動費率30%のとき
約1,077万円変動費率35%のとき
約77万円必要な売上の増加

変動費率が5ポイント上がるだけで、必要な売上が月77万円増えます。この計算を自分でしていると、計画の説明が具体的になります。「原価が上がったので」ではなく、「原価率が5ポイント上がり、損益分岐点が月77万円上がったので、この2つの施策で戻します」と話せます。

この章の要点

固定費 ÷ 売上総利益率。変動費率5ポイントの変化が、必要売上を大きく動かします。

返済原資を、計画の中に書く

ここが、多くの計画書で抜けている部分です。利益の計画は書いてあるのに、そこから借入をどう返すのかが書かれていません。

項目 金額 計算
営業利益(年間) 1,000万円 3 月次損益から
法人税等(30%) ▲300万円 概算
税引後利益 700万円 —
減価償却費(年間) +200万円 現金が出ていない費用
簡易キャッシュフロー 900万円 返済に回せる現金
年間の元本返済額 ▲1,200万円 全借入の合計
過不足 ▲300万円 毎年この分だけ現金が減る

営業利益1,000万円の計画でも、年間1,200万円の返済には足りません。この表を計画書に入れておくと、担当者は返済計画の欄をそのまま埋められます。

足りない場合に必要な税引前利益も出しておいてください。この例なら、(1,200万円 - 200万円)÷ 0.7 = 約1,429万円です。計画の営業利益がこの水準に届いていないなら、計画か返済期間のどちらかを変える必要があります。

この章の要点

返済原資の表を計画書に入れる。足りないなら、計画か期間を変えてください。

損益計画と、資金繰り計画は別物

数値計画というと損益(売上と利益)の計画を指しがちですが、銀行が返済の裏づけとして見るのは資金繰りのほうです。この2つは、必ず別に作ってください。

項目 損益計画 資金繰り計画
基準 発生した時点で計上 入金・出金した時点で計上
売上 売った月に計上 回収した月に計上
仕入 売れた月に原価として計上 支払った月に計上
元本の返済 出てこない 出ていく
減価償却費 費用として出てくる 出てこない
設備の購入 出てこない(資産に計上) 買った月に全額出ていく
損益計画だけでは、資金が足りない月が見えない

回収が翌々月、支払が翌月という条件なら、損益上は黒字の月でも、現金は出ていくほうが多くなります。元本の返済と設備の購入は損益計画に出てこないため、この2つがある会社では、損益計画と資金繰りが大きくずれます。

作り方は単純です。損益計画に、回収サイトと支払サイトを当てはめて、入出金の月に置き直す。そこに元本返済と設備投資、税金の支払いを足します。

順 やること
1 損益計画の売上に、回収サイトを当てはめて入金の月に置く
2 仕入・外注に、支払サイトを当てはめて出金の月に置く
3 固定費のうち、減価償却費を除いて出金に置く
4 借入の元本返済を、毎月の出金に足す
5 設備投資、納税、賞与を、その月の出金に足す
6 月初残高+入金-出金で、月末残高を出す
7 残高が最も低くなる月と、その金額を確認する

7番が、そのまま必要な借入額の根拠になります。残高が最も低くなる月にいくら足りないのか——ここから積み上げた金額が、希望額になります。使途と必要額の示し方は 資金使途の説明 の記事で扱っています。

この章の要点

返済の裏づけになるのは資金繰り計画。残高が最も低くなる月が、必要額の根拠です。

入れてはいけない数字①|根拠のない売上

最も多く、最も重く扱われるのがこれです。

書き方 なぜだめか
「市場規模1,000億円の1%を取る」 1%の根拠がない。なぜ0.5%でも2%でもないのか説明できない
「前年比150%成長」 何が150%にするのかが書かれていない
「業界平均の利益率を適用」 自社が平均である根拠がない
「◯◯社と商談中」(金額だけ) 成約の確度と時期が示されていない

共通しているのは、「上から割り当てた数字」になっていることです。目標から逆算した数字は、計画ではなく願望として読まれます。

正しい向きは逆です。今できていることから積み上げて、その結果として総額が出る。積み上げた結果が目標に届かないなら、届かせるための具体策を書きます。

この章の要点

上から割り当てた数字は願望として読まれます。積み上げて、結果として総額を出してください。

入れてはいけない数字②|右肩上がりだけの計画

毎月きれいに売上が伸び続ける計画は、かえって信用されません。

計画の形 読まれ方
毎月一定率で増加 季節性も失注も織り込んでいない。実態を見ていない
初月から黒字 立ち上がりの期間を見込んでいない
解約・返品がゼロ 継続課金型なら、必ず起きるものが入っていない
落ちる月がある 実態を把握していると読まれる
落ちる月を、理由つきで入れる

「8月は例年、受注が3割落ちます」と書いてある計画のほうが、自社の季節性を把握している証拠になります。そして実際に8月が落ちたとき、計画どおりだったことになります。

継続課金型の事業なら、解約率を明示してください。解約がゼロの計画は、その時点で現実味を失います。

この章の要点

きれいな右肩上がりは実態を見ていないと読まれます。落ちる月を理由つきで入れてください。

入れてはいけない数字③|固定費が実態より小さい

売上を伸ばす計画なのに、それを支える費用が増えていない——これも頻出します。

よくある矛盾 指摘される点
売上2倍なのに人員が同じ その体制で回るのか
採用を計画しているのに人件費が増えていない 採用費・法定福利費も含めて計上されているか
拠点を増やすのに家賃が変わらない —
システムを内製するのに開発費がない —
法定福利費が計上されていない 給与のおおむね15%程度が別途かかる

とくに法定福利費の計上漏れは多く見られます。社会保険料の会社負担分は、給与とは別に発生します。人件費を給与の額だけで計上していると、実態より小さくなります。

また、家賃・システム利用料・保険料・顧問料といった、金額が小さく毎月固定で出ていくものの漏れも目立ちます。通帳の毎月の引き落としを1年分見返すと、漏れが見つかります。

この章の要点

売上を伸ばすならそれを支える費用も増やす。通帳の引き落としで漏れを確認してください。

入れてはいけない数字④⑤⑥

— 入れてはいけない数字 なぜ
④ 減価償却費を入れない 利益が過大に出る。返済原資の計算も狂う
⑤ 前に出した計画と整合しない数字 説明が食い違うと、計画そのものが割り引かれる
⑥ 達成できない数字 後で実績と比べられる。届かない回数だけ信用が下がる

⑥について補足します。計画は、出して終わりではありません。次の決算で実績と比べられ、次の申込のときに「前回の計画はどうだったか」が見られます。

高い計画を出して通しても、次が苦しくなる

背伸びした計画で1回の融資が通っても、達成できなければ次の計画は信用されません。2回続けば、計画を出すこと自体が意味を持たなくなります。長期的には、保守的な計画を出して達成し続けるほうが、はるかに有利です。

この章の要点

計画は後で実績と比べられます。届く数字を出して、達成し続けてください。

前に出した計画との整合

見落とされやすい点です。金融機関は、前回提出した計画を保管しています。

確認すること ずれていると
前回の計画の数字 今回と大きく違うなら、理由を説明する必要がある
前回の計画の前提 「新規事業を始める」と書いたのに、その事業が計画にない
実績との差 差の理由を、こちらから先に説明する
他行に出した計画 行によって違う計画を出していないか

最後の項目は重要です。行ごとに違う計画を出すのは避けてください。決算書や借入金内訳から状況は相互に把握されますし、後で説明が合わなくなります。同じ計画を全行に出すのが原則です。

金融機関との情報のやり取りは メインバンクとの付き合い方 の記事で扱っています。

この章の要点

前回の計画は保管されています。全行に同じ計画を出してください。

計画を出した後にやること

計画は、出してからのほうが重要です。

やること 頻度 効果
計画と実績を並べる 毎月 ずれに早く気づく
差の理由を1行で書く 毎月 説明の材料が蓄積する
試算表と一緒に渡す 毎月 計画の精度が示せる
大きくずれたら、計画を見直す 随時 古い計画を使い続けない

3番目が効きます。計画と実績を毎月並べて渡している会社は、次の計画も信用されます。「この会社の計画は当たる」という記録が、そのまま次の審査の材料になります。

月次の提出については 試算表を毎月出す意味 の記事で扱っています。

この章の要点

計画と実績を毎月並べて渡す。当たる計画を出す会社だという記録になります。

チェックリスト

数値計画を作るときに

  • 売上を、商品・サービスごとの単価×数量に分解した
  • 数量の前提(既存の件数、新規の獲得ペース)を説明できる
  • 季節性を反映し、落ちる月がある
  • 継続課金型なら、解約率を織り込んだ
  • 費用を、変動費と固定費に分けた
  • 固定費に減価償却費が入っている
  • 固定費に法定福利費が入っている
  • 通帳の毎月の引き落としを1年分見返し、漏れを確認した
  • 売上を伸ばす計画なら、それを支える費用も増えている
  • 損益分岐点売上を計算した
  • 簡易キャッシュフロー(税引後利益+減価償却費)を計算した
  • 年間の元本返済額と比べ、過不足を出した
  • 足りない場合の、必要な税引前利益を計算した
  • 前に出した計画と、整合していることを確認した
  • 全取引行に、同じ計画を出す
  • 毎月、計画と実績を並べる運用を決めた
この章の要点

11〜13番の返済原資の計算が、いちばん抜けやすい部分です。

よくある質問

Q. 売上計画は、何年分作ればよいですか
初年度は月次、2年目以降は年次で3年分というのが一般的な形です。初年度を月次にするのは、いつから返済に回せる現金が生まれるかを示す必要があるためです。
Q. 売上を分解できない事業の場合は
何らかの軸で分けてください。商品別が難しければ、顧客区分別、地域別、チャネル別でもかまいません。単一の総額より、分かれていることに意味があります。
Q. 固定費と変動費に、きれいに分けられません
厳密である必要はありません。比率が大きいほうに寄せてかまいません。分けてあること自体が、損益分岐点の計算を可能にします。
Q. 損益分岐点は、どう計算しますか
固定費 ÷ 売上総利益率です。売上総利益率は「1-変動費率」で求めます。固定費700万円・変動費率30%なら、700万円÷0.7=1,000万円が損益分岐点売上です。
Q. 保守的な計画を出すと、融資額が減りませんか
必要額は資金繰り表から積み上げるもので、計画の売上の大きさで決まるわけではありません。むしろ届かない計画を出すと、次回以降の計画が割り引かれます。
Q. 減価償却費は、どう計算すればよいですか
資産ごとの耐用年数に応じて計算します。顧問税理士に、来期の償却見込み額を出してもらうのが確実です。年間の見込み額を12で割って、月次に入れてください。
Q. 落ちる月を入れると、印象が悪くなりませんか
逆です。季節性を把握している証拠として読まれます。そして実際に落ちたとき、計画どおりだったことになります。きれいな右肩上がりのほうが、実態を見ていないと判断されます。
Q. 行によって違う計画を出してはいけませんか
避けてください。決算書や借入金内訳から状況は相互に把握されますし、後で説明が合わなくなります。同じ計画を全行に出してください。
Q. 計画どおりにいかなかったら、どうなりますか
次の計画が割り引かれます。ただし、差の理由を毎月把握して説明できていれば、扱いは変わります。ずれたこと自体より、把握していないことのほうが重く見られます。
Q. 赤字の計画でも、出してよいですか
実態に合っているなら出してください。重要なのは、いつから返済に回せる現金が生まれるかを月単位で示すことです。無理に黒字の計画を作ると、達成できずに信用を失います。
Q. テンプレートの金額の単位は
円で記入する想定です。単位は決めて統一してください。途中で変えると計算結果が合わなくなります。
Q. 事業計画書の文章部分は、何を書けばよいですか
数字の説明として書いてください。なぜその単価なのか、なぜその数量が取れるのか、なぜその費用で足りるのか。数字を先に組み立て、それを裏づける形で文章を書くと、全体の整合が取れます。
出典

  • 中小企業の会計に関する基本要領、経営自己診断システム、事業計画の策定支援 — 中小企業庁
  • 減価償却資産の耐用年数等に関する省令、法人税のあらまし — 国税庁
  • 中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針 — 金融庁