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2015.10.07
MEDIA

お金だけではない、ものづくりに必要なさまざまな支援を提供するMakerプラットフォームとしてのzenmono

2013年からスタートした、ものづくりに特化し町工場や個人でものづくりを行う人を支援するクラウドファンディングサイト「zenmono」がある。2015年8月時点で、19件のプロジェクトすべてが成功するという、プロジェクト成功率100%を誇るサイトだ。クラウドファンディングだけでなく、中小企業のための自社商品開発講座 「zenschool」ももうすぐ13期を迎えるなど、クラウドファンディングにとどまらない多岐に渡るものづくり支援を行っているenmonoの三木康司氏と宇都宮茂氏に、ものづくり支援にかける思いについてお話を伺った。

ものづくりの一歩を踏み出す環境を

クラウドファンディングサイトzenmonoを運営するenmonoは、2009年11月に会社を設立。「マイクロモノづくり」という概念を提唱し、中小製造業の自社商品開発を支援するのが目的だ。

事業の柱として実施しているのは、自社製品開発など中小企業を支援する教育事業やコンサルティング事業として、町工場の経営者向けセミナーや、経営者を教育するzenschool。zenschoolでは、2カ月間商品開発や販促に関する講座を行い、最終発表でどんな製品を作るかを共有する。これを通じて、町工場や中小企業が、下請けではなく自社商品を開発する後押しをするのが狙いだった。

しかし、発表後も具体的な事業として進める企業が少なく、その後のアクションへと結びついていない状況が続いたという。そこで、zenschool卒業生が発表したプロジェクトを2012年6月にクラウドファンディングサイトのCAMPFIREに掲載した。クラウドファンディングで実際に資金調達を行うことで、商品化への具体的な一歩を踏みだそうと試みたのだ。その結果、掲載した「無駄にかっこいいヌンチャク系iPhoneケース『iPhone Trick Cover』」は目標金額を大きく上回る資金を調達し、町工場発のクラウドファンディングプロジェクトとして注目を集めた。続いて2013年1月にCAMPFIREに掲載した「プリント基盤アート!繊細でテクニカルなアクセサリー【Headig Leaf】」も目標金額を上回る支援が集まり、町工場発のプロジェクトの資金調達を連続して成功させた。

だが、CAMPFIREに掲載したプロジェクトのオーナーたちは、実際に商品化を進めていくなかで資金を集めるだけでは製品自体が完成しないという問題に直面していた。そこで、製品完成に向けてどう対処すればいいかといった相談を三木氏らに相談していたという。クラウドファンディングを通じて、資金面だけではない課題が浮き彫りになったことから、ものづくりを成功させるためにはお金だけでないさまざまな支援が必要だと考えた三木氏と宇都宮氏は、ものづくりのパートナーを見つけることができるプラットフォームとしてクラウドファンディングサイトのzenmonoを2013年5月に立ち上げた。