私は現在もNPO法人理事として、行政から委託を受けた生活困窮者の就労準備支援事業に携わっています。そこで出会うのは、「働きたいのに働く場所がない」「就労歴がなくて採用されない」「就職しても長く続かない」という人たちです。一方、社会では深刻な人手不足が続き、企業は採用に多くの時間と費用を投じています。さらに、メンタル不調や離職によって、働き続けられる人が職場から離れていくことも、人手不足を考えるうえで見過ごせない課題です。この両側を見続ける中で、私は大きな矛盾を感じました。人手不足なのに、働きたい人が働けない。採用しても、育つ前に辞めてしまう。これから必要なのは、即戦力を探し続けることだけではなく、採用した人を育て、長く働ける環境を企業自身がつくることではないか。そのためには、企業が最も目を背けたくなる「退職」にこそ向き合う必要があると考えました。辞める人の本音には、人が定着しない理由と、人材育成を変えるヒントがある。その声を企業の成長に生かしたい。そこからRE:TAINは生まれました。
【理念:人と組織の「まだ見えていない可能性」を、未来の力に変える。】
【信念:答えは、現場にある。人には、まだ見えていない可能性がある。企業には、人を育て、社会を育てる力がある。】
この理念と信念のもと、RE:TAINを日本の人材育成と組織のあり方を変えるプロジェクトへ成長させたいと考えています。私たちが目指すのは、企業が「退職」に本気で向き合い、そこから得た学びを次の人材育成に生かすことが当たり前になる社会です。退職は終わりではなく、企業がこれまで気づかなかった課題を発見し、次の人材を育てるための入口になり得ます。即戦力を探し続け、辞めればまた採用するという循環から、一人ひとりの可能性を見つけ、育て、長く働ける環境を企業自らがつくる社会へ。全国の企業と実証を重ねながら、「退職から学び、人を育てる」という新しい企業文化を広げ、RE:TAINを日本の新たな人材育成・組織改革のスタンダードにすることを目指します。