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2016.03.19
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「失敗は失敗ではない、成功のための発見である」日本ディレクション協会の会長 中村健太が説く、CVR向上を叶えるディレクションの極意

「なんで良いデザインが上がってこないんだ?」
「やっぱりデザイナーって、感覚でつくってないか?」

もちろん、Webデザインを作る側に問題がある場合もあるでしょうが、全てデザイナーの責任でしょうか?指示を出すマーケティング担当、そしてディレクター側も当然、“過失”があるハズです。

「なんとなく良い感じのデザインをお願い〜」と放り投げたら、適当な仕事が返ってきて当然。明確な要件を導き出し、思い通りのクリエイティブを叶えるには、「課題を解決するためのディレクション」が必要不可欠です。

では、良いディレクションとは何なのか?

そこで今回、日本ディレクション協会の会長であり、BITA(ビットエー)社のCMOにして、Kaizen Platformのディレクターでもある中村健太氏に、思い通りのクリエイティブを実現するための、そしてコンバージョンレート(CVR)アップにつなげるためのディレクション術を語っていただきました。

発注側がイメージ出来ていないのであれば、デザイナーは具現化できるハズがない。

– 「良いデザインが上がってこない」、「全然、効果が出ない」という悩みを抱えている担当者やディレクターの声を私もかなり耳にします。要はどこに問題があるのでしょうか?

中村:シンプルに考えると、デザインする側、発注するクライアント側、いずれかに問題があることは明確ですが、ほとんどは後者に問題があります。

発注する側に問題があるのは、もう、オリエンの仕方に尽きます。「なんかいい感じのデザインでお願い〜」と依頼する人も少なくないじゃないですか?そういう発注をすると、「クリエイターのひらめき」に依存することになります。

-いわゆる「神待ち」ですか(笑)?

中村:そう。一生懸命考えて考え抜いて「キターっ!」みたいな(笑)。それで良いデザインが出来上がればいいんですけど、「神の降臨したデザイン」って再現性がないからビジネスの観点からは良くないですよね。

対照的に、データに基づいたオリエンもあると思います。定量から導いた答えなので、非常に論理的に映りますが、答えを紐解くためには相当な時間がかかります。結果、半年後くらいに指示が降りてきたり(笑)。

-それもよく聞く話ですね(笑)。

中村:否定するわけではないのですが、コンペもそうですよね?A社とB社とC社に頼んで、「それぞれ全力で作ってきてください」というオーダーを貰う。それで各社のアウトプットを見て、社長が「A社にしよう」と言ったのでA社に決まる。

これってすごく効率が悪くて、「B社とC社のアウトプットを当てはめた時、どんな効果が出るのか?」と思いませんか?アイデアがせっかくあるのに、それぞれが仮説を持ってきているのに、一つの仮説しか試せない、これはもったいないと思います、僕は。

ディレクターとは、課題を解決するため、あらゆる進行を管理すべき存在である。

– そもそもなのですが、ディレクターの定義とは何なのでしょうか?割とぼんやりしていると思いますし、各社によってディレクターの業務範囲はバラバラです。

中村:いやいや、明確ですよ。ディレクターが担うべきは、「課題解決のための推進役」です。

課題に対して、「何をしようか」とタスク化する。そしてタスクが終わった後に、「どう成長させていこうか」というところまで考える。この課題を解決に導く進行管理がディレクションだと思ってます。

本来は、発注するクライアント側が、「こうしたい」を認識している必要があると思います。

– そういう、クライアントサイドに「こうしたい」という考えがない場合、中村さんはどう攻略していますか?

中村:「具体」を提案します。Where(どこ)をHow(どのように)、変えるかを明確にして。

クライアントサイドが同じ課題を感じているようだったら、「あぁ、いいですね!」となるし、そうでなければ「いや、違うと思いますね」という返答が返ってきます。

要は、テーブルの上に、議題を乗せて、それに対してYesかNoの意見を通わせることが大事なんですよ。NOと言われても、「なんでダメだと思います?」と聞くとそこで新しい要件や課題が抽出されることもある。

僕らから議論を仕掛けないと、「なんかいい感じのデザインでお願いします」になりやすくなっちゃうんです。

フルリニューアルして失敗することと、小さな修正で失敗すること。どちらがいいかは明白では?

– ディレクター職に関わらず、ディレクションというスキルを求める声が増えていますよね?その背景、中村さんは何故だと思っていますか?

中村:必要に駆られて、だと思います。結局、推進する立場がいないとうまくいかないんですよね。

「さて、フルリニューアルしてみよう」と上に言われて変えてみたら、ガコッとパフォーマンスが落ちちゃった…みたいな話ってよくありませんか?結局、いくつもの失敗があったから新しいスキルとして注目されはじめたんだと思っています。

でも思うのですが、大きな失敗をドーンと犯してしまうんじゃなく、ちっちゃな失敗を繰り返していった方が全然リスクがないんじゃないかなって。

例えば、データベースの構造まで変えてみたところ、全然ダメだった。「何がダメだったんだろう?」と考えると、「全部じゃね?」みたいなところにたどり着いてしまい、結局、何も得るものがない。変数が多すぎる訳ですから。

そこで、小さな失敗を知見として貯めていくことの重要さが認識されたんだと思います。だから、成功へとディレクションできる人が必要な訳で。ディレクションスキルを持つ人がいれば、小さな失敗の100回くらい、経験してもいいんじゃないかなと僕は思っています。

– 失敗を100回も繰り返すのは、一般的には心象が悪いですよね?PDCAを高速で回している人ならともかく、まだまだウォーターフォール的な考えが根付いていますし。

中村:確かに、100回失敗するというのは極論ですが、「失敗したとしてもとりあえずベストな効果が出る迄試してみよう」という逃げ場のない雰囲気を作ってしまえばいいのかなと。

僕の場合、クライアントさんと話す時は、現場の人だけでなく、予算に責任を持つレベルの人にもディスカッションの場に来てもらうことにしています。

同じテーブルについてとりあえずテスト項目をみんなでテーブルの上に出してみると、Kaizen Platformの契約期間は試してみるか、という逃げ場のない雰囲気が作れます。

それこそ丸一日ワークショップ!なんてことも行いました、朝から晩まで(笑)。

– それはもう、逃げられない(笑)。ただ、そこまで巻き込めるのであれば、確実に同じ方向を見つめられますね。

中村:そう。そこでしっかりと議論し、たくさん失敗しましたけど、結果としてすごい効果があったんです。成果を出すまで粘れたのは最初にコミュニケーションを設計できたからだと思うんです。

【成功事例】文脈の正しさよりも、ユーザーの心理に配慮し、CVRが30%UP!

– ちょっと話を変えて。成功したディレクション事例について教えていただけませんか?

中村:あえて文脈と異なるデザインにした、賃貸住宅サイトの事例を紹介しますね。「エリアを選ぶ」を選択した人には、エリアを選択させる画面を見せる。これは文脈として正しいですよね。

ただ、担当したクライアントの場合は、物件数がものすごく多いので、エリアを選んだ先のリストが5万件など膨大な結果に。

これはユーザーにとって不親切じゃないですか?そこで、僕たちが行き着いた答えは、「エリアを選択した後に、更に絞り込み条件という階層を設けた」のです。これは掟やぶりの施策でした(笑)

ユーザーに「早く見せろよ!」と思われるかもしれない。でも、最終的にはCVRを30%近く押し上げることができた。「文脈としては正しくないけど、ユーザーの心理ってこうなんじゃないか?」という仮説をすべての導線で考え尽くしたんです。

たくさん失敗もありましたけど得たものは大きかったです。

– この答えに行き着いた過程にも、やはり幾度のKaizenがあったわけですよね?

中村:もちろん。アタマの中で思いついたいろんな仮説をぶつけ合って、じゃあこれを試してみようよ、というところまでやれる空気感のおかげですね。失敗が何回続こうとも、「やりきろうぜ!」と。

失敗は失敗ではない。発見のための過程だと考える。

– とはいえ、どうしても失敗は「悪」だと捉えてしまいますよね。僕自身はそうは思わないのですが。

中村:まぁ、世界中の企業がそうだと思いますよ(笑)。社内のWeb担当者が、「あれもこれもやりましょう!」と言って、社内のリソースをどんどん使った結果10回失敗しました、と言ったらその人は降格させられてしまうでしょう。

これがリアルのプロダクトとかだったら仕方ないと思います。でもWebの世界ですから、ダメならすぐに引っ込めることが出来ますよね?じゃあ、うまくいったこともそうでないことも等しく学びとして捉えることが大事なんじゃないかなと。

えらい人も巻き込んで、みんなで共有して回していくという風土があれば、きっと失敗を失敗として扱わず、発見のための過程として捉えてもらえるのではないでしょうか?

「失敗すると降格させられるかもしれない」という意識を持つのは仕方ないことだと思います。だって、みんな自分のこと、可愛いじゃないですか(笑)

でも、だからこそ、「どんどんチャレンジしたくなる風土」があればいいですよね。それから、「やりっぱなしにしない文化」も。

「失敗も発見なんだ」という意識のもとに新しいことを考える続けるチームが育って、大きな形でのPDCAサイクルが回ると、きっとその会社、そしてサービスは伸びていくと思います。

もちろんディレクション能力を有する人も、その社内で着実に育っていくのではないでしょうか?

– 本日はありがとうございました!

Webサイト制作 / 改善のディレクターの方々へ

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2016年2月23日(火)17:00よりイベントスペースdots(渋谷)にて、Japan Growth Hacker Awards 2016を開催します。2015年の1年間に Kaizen Platform で活躍したグロースハッカーを表彰するとともに、Webサイトのディレクションに携わる方も注目のグロースハック実事例や関連プロジェクトの発表を行います。ぜひご参加(事前登録制、無料)ください。