ママや地方学生のグロースハッカー育成から見えてきた、新しい働き方が持つ大いなる可能性 — Japan Growth Hacker Awards 2016 レポート
Japan Growth Hacker Awards 2016 受賞者の皆さま
※受賞者のプロフィールは、Kaizen Platformにグロースハッカー登録した方とクライアントユーザーが確認できます。
■スポンサー賞
【ヤフー賞】 玉井秀樹さん
【ジョブハブ賞】 谷永里子さん
【とらばーゆ賞】 平野順子さん
【ガリバーインターナショナル賞】岩野正史さん
■大賞
【グロースハッカー・オブ・ザ・イヤー】福井渡さん
【International Award】 Andy Linさん
■部門賞
【金融部門賞】 牧野健太郎さん
【不動産部門賞】 生駒智洋さん
【人材サービス部門賞】 北古賀紀行さん
【ECサイト部門賞】 岡村しんしさん
【スマートフォンサイト部門賞】 片岡彩子さん
【オープンオファー改善賞】牧野健太郎さん、立木亜希さん、他1名
今、グロースハッカー養成という流れが加速している。
先日、2016年2月23日に、昨年1年間を通して目覚ましい成績を残したグロースハッカーを表彰するJapan Growth Hacker Awards 2016を開催しました。昨年に続き、2回目の開催となります。
イベントでは、Kaizen Platformに登録している3,000名のグロースハッカーの中から、優秀な実績を残し、クライアントのビジネスに寄与した人物を対象に表彰を行いました。表彰を行うだけでなく、プラットフォームのオープン化を進めるグロースハックパートナープログラムの発表、実際の事例を元にしたグロースハッカー自身が語る考え方や視点の紹介、それらの経済的インパクトやグロースハッカー向けのプロダクト進化についてもお話しさせていただきました。
いくつかのメディアで当日の模様は詳しく掲載されていますが、当ブログでは、当日のハイライトのひとつだった“グロースハッカー創出・育成の取り組み”を中心にレポートします。「こんな活動をしているなんて知らなかった」と参加者から反響が大きかった、地方やママ、大学生といった、時間や地域の制約を超えたグロースハッカーの働き方や学び方など、草の根的な活動です。
【ケースその1】ママグロースハッカーズ、誕生。
"ママグロースハッカーズ「子育てしながら働きやすい世の中を、共に創る。」をキーワードに、「はたらく育児」を応援する「iction!」という、リクルートグループが進めている取り組みがあります。このプロジェクトでは、趣旨に賛同する行政、企業、NPO等の方々と共働しながら、働く意欲をもつ子育て世代の就業を目指しています。その中で、リクルートジョブズが取り組んできたことのひとつとして、女性特化型グロースハックチームによる女性向けサイト改善と、ママ向けWebグロースハッカー養成講座が紹介されました。
一つ目の女性特化型グロースハックチームですが、女性ユーザーが多いとらばーゆ、リクナビ派遣などのサイトを、8人の女性グロースハッカーが改善するというもの。女性だからこそのユーザー視点が生かされ、効果を上げています。
二つ目、ママ向けWebグロースハッカー養成講座は、Kaizen Platform、デジタルハリウッド福岡校、そしてリクルートジョブズの三社で進める半年強のプログラムです。リクルートジョブズが、デジタルハリウッド福岡校で開催する同講座への受講料支援を行っています。また、Kaizen Platformとともに講師派遣も行っています。
家事や仕事、育児という点でマルチに頑張っているお母さんにとって、クラウドソーシングで働くというのは、時間と働く場所を選ばないため、両立しやすい働き方となります。実際、この講座は注目度が高く、12名の採用枠に対して3倍の36名からの応募がありました。
同講座では「ママをグロースハッカーに」というコンセプトの元、お母さんの就業の支援を行なっています。ユニークユーザーという言葉も知らない、デザイン系のソフトを使ったこともないというWeb知識ゼロの方をグロースハッカーに育てるプログラムです。
『とらばーゆ』の金編集長から紹介を受けて登壇したデジタルハリウッド福岡校の高橋校長から、ママ向けWebグロースハッカー講座のこれまでの歩みが紹介されました。
入学は2015年の9月。2ヶ月たった11月から、すぐに実践がスタート。中間成果発表の課題であった「とらばーゆFashionの誌面広告のデザイン」では、3案が実際にタウンワーク内の広告として掲載されています。
ママ向けWebグロースハッカー養成講座に参加するママからのメッセージ
イベントでは、案を採用されたママからのビデオメッセージも紹介されました。「今はフリーライターとして活動していますが、これからはグロースハッカーとの二本柱で在宅ワークができればと思い、志望しました。(中略)このデザインが選ばれたときは嬉しくて、配布される日にはコンビニまで走りました」
12月には実務案件を任され、絵本クラブのWebリニューアル提案を実施。実際に絵本を購入しているママの目線を活かしたデザインやコンテンツ企画案が、非常に高い評価をいただけたそうです。
1月は福岡の商業施設である「イムズ」にある店舗のWebリニューアルを担当。この店舗は、ママたちにとっても身近である妊活サロンや学童保育という、まさにニーズを知るママたちだからこそ、担当できる案件でもあります。提案をうけた店舗の経営者から実際にデザインを採用したいという相談を受けているそうです。
そして、3月からは本格的なグロースハックの学習がスタート。受講開始から5ヶ月目にして、なんと、コンテンツ企画が評価され福岡市農林水産局のWebリニューアル案件を受託。今、まさに案件がスタートしており、ママ達は子どもが寝静まった22時からSkypeを繋ぎ、ミーティングをしています。
同校で目指すのは、「ママたちが在宅で月30万円稼げるようにする」こと。このまま、順調に推移していった際は、ママグロースハッカーズをいずれ、法人化することも検討しているようです。
【ケースその2】地方学生のWeb教育支援。
パソナテックが運営するクラウドソーシングサービスJob-Hubは、地方学生の支援に積極的です。
東京の大学生の場合、インターンの受け入れ先が多数あるため、Web業界というものに触れる機会があります。しかし、地方ではインターンシップ先が少なく、Webの業界で働くというイメージを持つことが難しい環境です。そこで、Job-Hubが学生向けにグロースハックプログラムを提供し、地元で知識を身につけられる仕組みをつくりました。
佐賀大学では、グロースハックの講座が単位認定講座に
佐賀大学ではグロースハックチャレンジプログラムが単位認定講座にもなっており、学びながら、かつ報酬を得ることが可能です。また今後、佐賀大学では、“社会人の学び直し”ということで、社会人に対してもプログラムを提供していくことを考えています。
加えて、オンライン動画学習サービスである、「スクー」と提携。自宅で好きな時間にグロースハックやWebマーケティングの授業を受けるということを可能にしています。
来年は、どれだけのグロースハッカーが日本に誕生するのでしょうか?
2015年にKaizen Platformに寄せられた案件の数は5189、実は前年の2倍以上の数字になっています。このように改善の文化が根付きはじめた今、求められるのは、需要に応えられる、改善を手がけられる人材の育成です。
改善が新たな産業となりつつある今、2016年のこの1年間で、どれだけのグロースハッカーが誕生するのでしょうか。来年のアワードが今から楽しみです。
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