ITは付加価値型の業界ですが、日本のIT業界(主に受託ビジネス)の多くは、人月計算・多重下請け構造となっています。人月計算は従業員の数と受注継続に売上が比例しています。受注の継続が途絶えれば、事業継続が困難になります。また、新たなビジネスの創生も困難です(今までの受託ビジネスは顧客の要求を要件に落とし込み、開発することですから)また、投資したITの評価を数値化することも困難でした。これではIT投資の経営判断が難しいと考えられます。これはIT業界と組織のIT活用の進歩を阻む要因の一つとなります。
以上の理由により、日本の国際的な競争力は相対的に低くなっており、IT業界における収益性は欧米やインドよりも低いです。また、巨大なシステムを維持していくのが困難な時代が来る可能性が高く、デジタル社会への急速な変革により、組織はIT活用のバランスを考慮する可能性が高くなります。
*受託開発中心と多重下請け構造、人月商売からの脱皮遅くれによる影響が高く、下請け技術者は景気の調整弁の役割で、労働環境、雇用条件、待遇の悪化により疲弊している。日本の産業は危機的状況にあります。
企画・構築・運用技術の研究だけでなく、特に従来とは異なる成果を中心としたプロセス、ゲーム理論を応用した契約の考え方、統合した一般会計・管理会計と革新会計をベースにしたITの評価方法、知識集約型へ転換する組織制度についての方法論のフレームワークの研究が完了したところです。