陸上競技KIROKUBUはすべての大会主催者に共通の記録管理システムを提供するプロジェクトを展開している任意団体です。ウエブに公開される結果は時間が経つと消去されてしまいますが、共通のシステムに登録することで年間1000万件の記録が消失しない仕組みを作ります。
ベースボール・マガジン社で32年間、スポーツの雑誌編集に携わりました。専門の陸上競技には18年間携わり、雑誌編集の傍らランキング速報のウエブサービスを開発しました。1990年代のDTP(デスクトップパブリッシング)、2000年代のデジタル化という2つの技術革新を取り込み、紙媒体とウエブ媒体の両方で成果を残しました。
陸上競技マガジン編集部時代に構築した記録収集の仕組みを使い、ウエブによるランキング速報の開発に取り組みました。雑誌では月1回100位までが精一杯でしたが「毎日1000位まで更新」をウリにしたところ、シーズン中に毎日順位が入れ替わるサービスとして口コミで広がり、3年で採算点に届きました。現在も会員が増え続けており、先行していた社内のウエブサービスを抜いて収益トップの事業になりました。【陸上競技ランキング https://rikumaga.com/】
データベースシステムを大会主催者に公開し、収集できる記録の件数を50倍(年間20万件から1000万件)に増やしました。これにより長年の課題だった「記録データの収益化」の見通しを立てました。
年1冊発行の「箱根駅伝ガイド」で選手の強さを星 (★)の数で表現したところ、有力選手が視覚的にわかりやすくなり実売数が3倍になりました。この「箱根駅伝ガイド」が好調だったため、さらに3冊の増刊を発行しました。春は新入生情報、夏は北海道や菅平での合宿特集、秋は駅伝シーズン展望、冬は箱根駅伝ガイドとすることで季節ごとの最新情報を届ける定番アイテムになり、いずれも社内の売上上位に入る商品になりました。
クライアント側の承認を得て進めるため締め切りまでの作業時間が短くなりがちでしたが、3カ月先までの企画を提示しながら進めることで解決できました。予算に対して取材経費がかかる課題がありましたが、読む雑誌から見る雑誌に変えることで解決できました。ページ数を半分にした上で版型を拡大し、オールカラーにしたことで見栄えが向上し、広報誌としての役割をより果たせるようになったとしてクライアントからも好評を得ました。
障害者に生活情報を届ける月刊誌の創刊を担当しました。経費削減のために取り組んだ完全DTP化の経験がこの後に担当したすべての雑誌に生かされました。
スポーツ医・科学の情報を指導者に届ける月刊誌です。論文の内容を指導現場で取り入れやすく紹介する方法に苦心しましたが、効果的なトレーニングを実践している現役の監督やコーチの指導法を取り上げることで、参考にしてもらいやすい企画立案を心がけました。