本技術は、一般家庭のキッチン、トイレ、ディーゼルエンジン(トラック、農機、船舶等)といったものから、酪農業、火力発電所、鉄工所といった幅広い業種、業界でのスケールアップした活用が期待できる。
運営費も安全な溶液の交換だけであり、廃液の活用が証明できればグローバルでの普及が見込める。
機材としても、溶液を溜めるタンクと排気収集が必要な際のポンプが必要なだけである。
基本的に溶液の交換だけでフィルターなどの交換は必要としない為、運営・保守コストも低く抑えられる。
最低限の保守管理で、長期的に運営可能であることから実用性はかなり高いと考える。
幅広い産業、業種での使用が可能であることからグローバルレベルでCO2及びメタン削減の効果が期待できる。
ディーゼルエンジンを使用する大型トラック、船舶、農機、列車といった移動するものへの設置も可能でありCO2削減効果は大変高い。
更に、酪農やごみ処理施設等から排出するメタンガス削減にも対応可能であり環境改善への効果が期待できる。
引き続き環境に敏感な企業、大学の研究室とも連携して技術を立証し拡販する計画である。
本研究は、1985年、豪州の牛肉下水処理場のポンプ場の清掃に使用されていたこの装置は、主にメタンガスへの曝露から下水処理施設で働く人々を保護するために開発された。
近年、脱炭素技術の開発に関心が高まったことで開発者が本技術の再研究(特許出願)をする動機となった。
本技術で使用する溶液は、有毒なアミン類の化学物質溶液とは異なる、安全かつ低コストで入手しやすいオルガニック物質である。
定期的なフィルター交換、化学物質を使用していないので、運営コストも他の技術と比較して低く抑えることが可能である。今後は、廃液を肥料や再利用できる安全なカーボンリサイクル資源としての研究も進める計画である。
2023年5月に豪州で実施した、ディーゼル発電機の排気ガス回収実証試験では、70%から92.5%のCO2回収が確認できた。今後、更なるCO2回収率を高める研究を継続し、日本で溶液と本装置の製造を行い、スケールアップした中規模・大型施設での実証試験においてCO2回収の確認・証明する考えである。
工学院大学、豪州のMonash大学、Deakin大学の研究室とも意見交換しており産学連携を目指す予定。