私は、地域の電器店として1,000軒以上の高齢者宅を訪問し、在宅高齢者の生活現場に直接触れてきました。その中で、お得意様の孤立死を経験し、「異変が起きてから対応するのではなく、その前に気付く仕組みが必要ではないか」と強く考えるようになりました。
従来の見守りは、安否確認や異常発生後の対応に重点が置かれがちです。しかし、健康寿命を延ばすためには、異常が起きていない普段の生活の中に表れる身体機能変化に早く気付き、本人・家族・地域が改善行動につなげる仕組みが必要です。
そのため、居宅高齢者が日常生活の中で自然に操作でき、その操作を通じて身体機能変化を把握できる仕組みを開発しています。
専用端末「つまモーネ」を高齢者宅に設置し、高齢者が日常生活の中で端末を操作した際の「つまむ力」などの情報を取得します。取得する主な情報は、つまむ力の最大値、最大値までの時間、測定終了までの時間です。これらを継続的に蓄積し、以前と比べた変化を確認することで、本人・家族・支援者が身体機能変化に早く気付くための客観情報として活用します。
また、端末操作、動き検知、外出・帰宅通知、室内温度・湿度などの生活情報もあわせて確認できるようにし、身体機能変化と生活状況を組み合わせて、異常が起きる前の気付きにつなげます。医学的診断ではなく、日常生活の変化に気付くための予防型健康支援サービスとして展開します。