動画チャットの導入と顧客の音声分析を可能にするプラットフォーム「FaceHub」はWebの接客を変える[THE BRIDGE FES]
http://thebridge.jp/2016/01/facehub-the-bridge-fes
今回インタビューしたのは、FacePeer代表取締役社長の多田英彦さん。 FacePeer は、WebRTCを応用した動画チャットプラットフォーム「FaceHub」を開発するスタートアップ。
FaceHubは、SkypeやGoogleハングアウトが必要とするようなインストールやアカウントが不要で動画チャットを利用して接客(会話型コマース)を可能にするサービス。連絡先の交換などを行うこともなく、ブラウザのURLをクリックするだけで動画チャットを始めることができます。
facehub
こうした動画チャットは、一般ユーザ同士のコミュニケーションというよりは、カスタマーサポートなどでの利用が見込まれています。
多田さん「Web上のサービスは、片側通信であることがほとんどでした。最近、カスタマーサポート用のチャットが導入されるようになり、多少は解消されましたが、まだチャットを使うことに抵抗がある人も多い。そういった方は、Webからではなく、テレビショッピングなどに流れてしまっています。
聞きたいことがあれば、その場で聞いてしまうのが一番早い。それはWebでも同じです。これを実現したいと考え、FaceHubを開発しました」
WebRTCという技術が登場し、安定化し始めたタイミングであったことも、FaceHubを始めることを後押ししたそうです。Webからでも対面の接客が可能になると、リアルの店舗を持ち、日々接客を行っているサービスにとって、追い風となります。
過去にRareJob( レアジョブ )のCTO代理、DeNAでシニアエンジニア、Yahoo! JAPANでヤフオクでのシステム設計・プランニングなどを経験してきた多田さんは、この技術に可能性を感じて起業しました。
多田さん「直接話をして販売ができるため、不動産など扱っている商材の値段が高いサービスほど相性がいいと考えています。また、FaceHubは接客だけではなく、人材サービスとも相性がいい。離れた場所にいる人と面談が必要な際に、いちいち連絡先の交換をしていてはキリがありません。FaceHubを利用すれば、一度の面談でだけ利用可能なURLが発行されます」
関係性がない人との1回きりのコミュニケーションにも使えるサービスであるFaceHubは、1回の接続あたりで固定の値段を課金するビジネスモデルをとっています。このサービスが可能性を感じさせてくれるのは、動画チャットによって得られる膨大なデータ。
多田さん「動画チャットの内容は、録画・録音が可能です。また、記録すると同時に、サーバーでテキストに変換し、ドキュメント化もできるようになっています。私たちは、取得したデータを形態素解析し、カスタマーがよく発するキーワードなどのデータを収集していくことができます。
FaceHubが複数のサービスで利用されれば、これまでは単一のサービス内でしか取得できなかったカスタマーが実際に話した言葉を収集し、他のサービスもそのデータを用いてサービス提供も可能になります。
十分なデータを収集できるようになるまで、FaceHubを利用してくださるユーザを増やして、人々のワードを集めていきます」
FaceHubは、デモ環境での試用が可能となっています。その後、トライアル環境でユーザのニーズに合わせてカスタマイズを行い、プロダクト環境としてサービスが提供されます。動画チャットの導入を検討している方は、FacePeerのブースで動画チャットの導入に関して話を聞いてみてはいかがでしょうか。