微細藻類を培養し人類の資源とする取り組みは、第二次世界大戦中のドイツで、石油代替のエネルギー源(油)を得るため珪藻の培養を試みたものが始まりとされます。以降、クロレラに代表される微細藻類の高い栄養価や、アスタキサンチン(astaxanthin)・フコキサンチン(Fucoxanthin)など微細藻類が作る希少な生理活性物質が注目を集めています。10万種といわれる藻類には、工業・エネルギー分野、農業・環境分野、医療・健康分野への応用が期待されており、微細藻類を安定に大量に安価に入手するための連続大量培養技術の確立はバイオテクノロジー分野における長年の悲願です。
マイクロアルゲミー株式会社は、これまで自社で培った微細藻類の完全屋内連続大量培養の普及を通じて、SDGsや脱炭素、ウェルビーイングといった人間社会の持続可能性の課題可決を目指し、設立したものです。
微細藻類培養の試みが始まって以来長らくは、屋外での「オープンポンド(池)方式」が主流でした。しかし、異物混入が防げないことや培養可能な藻種が極めて限定的であるなど課題も多く、我々は、これらの課題を根本的に解決するために完全屋内での連続大量培養技術「リアクター方式」の確立を目指して研究開発をすすめ、2008年に室内連続培養装置 『MOMO. 』 実験機を開発。2014年には『MOMO. 』生産機5台を用いての長期間完全屋内連続大量培養の実証を行い、世界で初めて1年間の商用スケールでの連続培養に成功しました。この時、希少価値の極めて高いフコキサンチンに着目し、付加価値の高いフコキサンチンを抽出・精製するという事業採算が安定的に見込めるビジネスモデルを構築しました。
このように、当社では、微細藻類培養技術の普及を見据え、場所を問わない安定した連続大量培養技術の確立、と小規模でも事業採算の取れるビジネスモデルの構築、にこだわり、業容拡大・企業成長を目指しております。