背景には、先天性小耳症により幼少期から通院し全身麻酔手術を3度経験した自身の原体験がある。医療に恩返ししたい思いに加え、学部では電子商取引研究室で「電子カルテ連携を見据えた遺伝情報の標準化とセキュリティ実装」に取り組み、試作した家系図システムは利用者アンケートで継続開発を強く要望され、事業化を決意。遺伝医療の必要性が高まる中、家族歴を構造化して血縁者の疾患情報を可視化することは予防・早期介入を促し、発症リスクや医療・介護費の低減に資する。既存の電子カルテで十分に活用されていない遺伝情報・家族歴の課題を解決し、「1億人のために医療用家系図で予防医学を」を掲げる。将来的には「一家に一つ医療用家系図」を実現し、家族の健康増進と絆の深化、自己のアイデンティティ形成に貢献、さらに「すべての人類のデータを1つの家系図で繋ぐ」ことを目指す。