世界銀行が毎年発表する「Doing Business」のビジネス環境ランキングにおける日本の順位は年々低下し、特に紛争解決手続きの項目に関しては最低評価を受けています。また、国内では法律相談件数が高止まりしているにもかかわらず訴訟件数は毎年減少しており、「2割司法」という言葉で揶揄されるほど、リーガルサービスが人々に行き届いていない現状があります。さらには、この度の新型コロナによる裁判所や法律相談機関の運営停止も司法が不要不急のサービスであることを印象付け、その脆弱性を露呈してしまいました。シンプルに考えても、様々なサービスがオンライン上に移行する中で、トラブルが生じた際の受け皿となるリーガルサービスがオフラインのままでは、泣き寝入りを減らせるはずもありません。政府が推進する裁判IT化の完成は早くても2025年となっており、民間企業がODRによってリーガルインフラを一日も早く整備し盛り上げていかなければ、法治国家としての体裁を保てません。私たちは、このようなリーガルアクセスの目詰まりを解消するために、紛争解決手続きオンライン化するシステムとサービスの開発に着手しました。
①ユーザビリティの向上
私たちはユーザー本位の視点から法的紛争解決のあり方をデザインしています。特にこだわっているのはスピードです。アメリカのODRプロバイダーの調査によれば、紛争当事者の満足度は解決内容でなく解決スピードに依存する傾向があることがわかってきているからです。
②双方の利益が最大化するWin-Winの解決
双方がWin-Winになれる解決策を提示できるようなシステムサポートを実現します。現時点では、優れた和解案は人間の叡智によってのみ生み出されると思われていますが、それはやがて「ヒト」から「アルゴリズム」へと変化していくはずです。
③弁護士等の非稼働時間の活用
Teuchiが生み出す紛争解決マーケットプレイスでは、日本全国の弁護士や司法書士をインターネットでネットワークします。法律専門家の非稼動時間をインターネットでマッチングして調停サービスを提供し、紛争解決コストを削減します。
④紛争予防
紛争解決で蓄積されたビッグデータの解析によって紛争の原因を割り出し、対策を提示することでピースフルな社会を創造します。