薬剤師として働いていた頃、患者さんが抱えている本当の不安や気持ちは、診察室や窓口ではなかなか表に出てこないことに気づきました。制度や支援の枠からこぼれ落ちてしまう“言葉にならない声”が、現場にはたくさんあります。そうした声を拾い、誰かの行動や支援につなげられたら——そんな思いが、株式会社メディキャンバスを立ち上げた原点です。
私たちは、病気や暮らしに関する悩みを自由に投稿できるWebアプリ『うちあけ』を運営し、これまでに1万件以上の生活者の声を蓄積してきました。それらの声を、製薬企業のマーケティング・営業支援、疾患啓発資材の改善、研究テーマの発掘などに活用しています。投稿内容は専門職が読み解き、ペルソナ設計や共感キーワードの抽出など、言葉の構造化を通じて実務に展開しています。
「声をどう活かすか」という視点にこだわり、一人ひとりの小さな気持ちや経験が、仕組みや制度を動かす力になる、そんな社会を目指して、私はこの会社をやっています。
株式会社メディキャンバスは、製薬企業向けに、患者さんのリアルな体験談や生活の声をもとにした提案資料の作成支援や素材の提供を行っています。当社のサービス「うちあけ」は、病気と向き合う中で患者さんが抱える不安や悩み、生活上の困りごとを丁寧に拾い上げ、企業のマーケティング・営業活動に活かせる“リアルな声”を可視化するものです。
一般的な調査では把握しきれない患者視点の深い気づきを提供することで、MRやマーケティング部門は、患者の声を反映した訴求メッセージや資材を構築でき、医療従事者への提案時にも共感を得やすくなります。
さらに近年では、ペイシェントアドボカシーやメディカルアフェアーズ部門での活用も進んでいます。患者中心の医療推進において、「うちあけ」は疾患啓発資材の設計や患者支援プログラム構築などにも活用され、科学的・倫理的な対話の土台としても有効です。
このように「うちあけ」は、製薬企業のさまざまな部門が“患者の声”を起点に施策設計を行うための有力な情報源となっており、メディキャンバスはその支援を通じて、企業と患者・医療現場をつなぐ役割を担っています。