活動の原点は自身の体験。大学生時代に新潟で街づくりに携わり、トヨタ自動車に入社後は海外営業などを担当。だが出産・育児で生活が一変し「社会から隔絶した孤立感」を覚えた。子育て支援拠点を立ち上げる会に参加し、意見を出したりすることで孤独感から救われた。二〇一二年に友人らと団体を設立。不安や悩みを一人で抱え込む「孤育て」の状態のときには、自力で社会とつながり直すことや困っているということを自分自身で認識することは難しく、誰かにSOSを出すことは尚難しい。居場所づくりを目的にカフェを運営するのは「自分のまわりに自然とつながりが生まれる状況を作り出すには、カフェぐらいの敷居の低さが大事」だからだ。カフェでは毎日見守りボランティアの人が赤ちゃんを抱っこにきてくれている。子どもを育てることが一人や家族ではなく、社会全体ですることが当たり前にしたい。そんな思いから団体を立ち上げた。
〇カフェ事業:こまちカフェ・こよりどうカフェ (横浜市戸塚区)戸塚区内の農家と連携したランチの提供の他、ハンドメイド雑貨の販売や米粉のお菓子の開発/製造/販売、オンラインショップも運営している。イベントスペースも貸し出し、子育て中の方にとっての起業の一歩となっている。「食」「イベント」があることで、場に足を運び、そこから結果的に仲間や相談ができる関係性ができるよう居場所を運営している。障害・ダブルケア・不登校/ひきこもりについて話せる会をそれぞれ毎月自主開催。
〇ウェルカムベビープロジェクト(全国4箇所):ヤマト運輸株式会社神奈川主管支店と協働で2016年に立ち上げ。出産した子どもに無料で、まちの人・商店・企業の人たちでつくった出産祝いを届ける事業を実施。戸塚区で開始し、鶴見区・千葉県松戸市・茅ヶ崎市の4地区で展開( 4地区計:8年で約8100家庭にお届け)。このプロジェクトから日本初のおむつ自動販売機が誕生。一人のお父さんの声をもとに開発(花王株式会社・東京キリンビバレッジサービス株式会社)、2017年に戸塚区に第一号を設置。現在全国に約100機設置。