本事業では国際的な食品衛生安全基準であるHACCP(ハサップ)を取り扱います。
<HACCP(ハサップ)義務化と時代の流れ>
背景としまして、FAO(国際連合食糧農業機構)とWHO(世界保健機関)の合同機関であるCODEX委員会で1993年にガイドラインが示されてから20年が経ち、先進国を中心に義務化が進み、HACCPは既に国際標準になっています。
一方、日本ではHACCP普及率は低いままだったので国際標準へ対応できるHACCP促進が急務となりました。
そこで、国は2014年からHACCP義務化に向け段階的に法整備をはじめ、今年2018年6月7日の通常国会でHACCP導入を義務付ける食品衛生法改正案が成立しました。これは、「すべての食品を扱う事業者に、平成30年末までにHACCPに沿った衛生管理の制度化を図っており、猶予期間(2~3年)をへて義務化する」というものです。
※HACCP(ハサップ)とは
HACCPとは、1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式です。
Hazard Analysis Critical Control Pointの頭文字からとったもので、
「危害分析重要管理点」と訳されています。
食べ物の安全性を確保するには、その工程・加工・流通・消費というすべての段階で衛生的に取り扱うことが必要となり、
食品製造行程中に危害防止につながる重要管理点をリアルタイムで監視・記録していく「HACCPシステム」という考え方が国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同機関である食品規格(Codex)委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。
本事業においては、食品に関わるあらゆる事業者に求められる安全衛生基準となる。
HACCPでは製造加工ラインの要所における衛生状態の管理、つまり微生物コントロールを求めています。本事業で扱うNPC社の「バクテスター」という検査機器は生菌用と死菌用の蛍光試薬で同時染色~自動測定を行い、一般細菌数を5分で測定します。
国内の微生物検査の公定法(=調査方法)は培養法と呼ばれるものです。日本薬局方(厚生労働省が公示する医薬品の規格基準書)、食品衛生検査指針(厚生労働省監修)では食品微生物検査の試験法を「公定法」と「その他の試験法」に分類し、食中毒などの重大な食品事故の防止につながる「その他の試験法」すなわち迅速試験法の導入を推奨。
バクテスターの基本原理は、第十七改正日本薬局方「蛍光染色による細菌数の迅速測定法」に記載されています。
つまり、食品安全法の上位互換法として薬局方あり、そちらでも推奨されているとも言うことができる。
【国内の食品関連事業者にHACCP義務付けとなった背景】
◆諸外国
<アメリカ>
2011年1月 食品安全強化法
<EU>
2006年 HACCPの概念を取り入れた衛生管理を義務付け
<カナダ>
1992年 HACCP義務付け
<オーストラリア>
1992年 HACCP義務付け
<韓国>
2012年 HACCP義務付け
<台湾>
2003年 HACCP義務付け
<その他>
ロシア、メキシコ、ベトナムにおいてHACCP導入を検討中
中国、インド、タイでは輸出食品にHACCP導入を義務付け
これらの諸外国の動きを背景といて、2018年6月7日に食品衛生法が改正され、2020年までに全食品関連事業者はHACCPを義務付けられることとなった。
全事業者をA基準とB基準に仕分けることで、普及を図っている。
食品の製造・加工業者・飲食店等の調理業・スーパー等の販売業も義務化の対象となり、以下の基準となります。
・大手事業者には国際基準を厳格に適用する(A基準)
・中小、零細企業などは一部簡略化する(B基準)が適用されます。
【基準A対象事業者】
大手事業者:畜産場、食鳥処理場など
【基準B対象事業者】
小規模事業者、当該店舗での小売販売のみを目的とした製造・加工・調理事業者、提供する食品の種類が多く、変更頻度が頻繁な業種、一般衛生管理の対応で管理が可能な業種
上記のように、大半の事業者はB基準に準じた衛生管理を行う必要があります。
つまり、私たちの身近にある飲食店もHACCPのB基準となり、義務化されるのです。
そこで、私たちが展開するサービスの事業概要が「迅速細菌検査デリバリーサービス」です。
<事業概要>
HACCP(B基準)の重要管理点である細菌数を測定するデリバリーサービスを展開します。現行の細菌検査サービス(約1週間)や公定法(48時間)を利用した菌検査では、採取した検体から菌を培養した後に、菌のコロニーを目視でカウントする為、時間がかかります。
上記のように今後は爆発的に増加すると思われる菌検査需要に対して、後手後手の対応になることが予想されます。
株式会社NPC社製の「バクテスター」という検査機器は、1検体当たりの細菌検査がわずか5分で誰でもでき、サイズ(縦28.5㎝×横22.2㎝)もコンパクトになり持ち運びもできるのでどこでも場所を選ばず検査員による確実な検査が可能です(公定法などの検査機器は持ち運びが困難)。
現行法では、上記の通り細菌検査に時間がかかり過ぎており、今後の需要にも対応しきれないとともに何より、細菌結果が出てしまった頃には、既に製品が流通してしまい食中毒等の被害を防げず、また製造したメーカーや飲食店も多大な損害を出してしまいます。しかし、この細菌迅速測定機ならそれを防ぐ事が出来るのです。
現在の導入先としては、大手医薬品原料メーカー、大手飲料メーカー、大手醤油メーカーなどがご利用されています。また、某県の産業技術センターの細菌検査試験で採用されており、代理店としては国内最大クラスの商社に取り扱って頂いております。