私は、中学校までクラブチームでサッカーをしていました。足ははやい方で、筋力も特別劣っている訳ではないにも関わらず、試合でパスがなかなか通らず、シュートもほとんど入りませんでした。当時は、コーチから「周りをみろ」と怒られるだけで、私自身も他の選手よりもボールに目がいっているのではないかとあまり深く考えませんでした。あるとき、NHKでミラクルボディという番組で当時サッカースペイン代表全盛期の中心選手だったパスの名手であるシャビ選手の脳を分析していました。シャビ選手の脳とJリーガーの脳の比較では、空間認知能力を司る部分の活動が全く違っていました。それを見たとき、私は、自分のパスやシュートが失敗する理由に脳や空間認知能力が関係しているのではないかと思い、それと同時に私がいたサッカーチームのトレーニングにそれらを鍛えるものがなかったことに課題感を感じました。それだけでなく、インタビューを進める中で確立された空間認知能力を鍛えるトレーニングがまだ存在していないことを知りました。私は、空間認知能力を鍛えるデバイスを提案し世界に広めることでこの課題を解決し、スポーツ界を中心に社会に貢献したいです。
私たちは、「脳を通して、知識・経験・感覚を共有することで言語を超えた世界を作る」ことを最終目標にしています。そのために、できるだけ早い段階から脳科学をビジネスにし、生体データを獲得することや研究体制を作ることを当面の目標にしています。その中で脳刺激デバイスを拡大するためにまずはプロトコルを作成し、大学の部活動チームに提供することでデバイスの効果を実証し、効果的な競技を結果ベースで見つけます。その後、プロスポーツチームに活用していただけるように尽力していきます。さらに、私が英語に強いこともあり、早期からの海外展開も視野に入れています。それも含め、市場規模や競技の知名度などを検討していきます。