きっかけは、モリンガの成長によるCO2吸収効果についてのエビデンスがなかったことです。世間で出回っている”スギの20倍や50倍”という数値に疑念を持った方から大学に相談があり、産官学コーディネータを通して研究会代表者が分析を行いました。結果は”スギの2-3倍”です。但し栽培の工夫次第でもっと増やせます。(なぜ、このような数値が出回ったかの理由も突き止めました。)また誤解されるのは、CO2吸収量のみの評価は意味がありません。これを固定化することで初めてカーボンネガティブと言えます。当研究会は、所属メンバー所有の土地および協定を結んださいたま市公有地においてモリンガを独自に栽培しCO2固定量を科学的に算出して広く周知し、現状では本当の数値がいくらなのかをオープンにしながら、モリンガ本来の魅力である高い栄養を国内製造品に換えて様々なサービスを提供したく、展開しています。
モリンガの種の入手:現在、日本のモリンガ栽培の総本山ともいえる熊本・天草の”モリンガファーム”にてインド産を購入します。
耕作と播種:見沼田圃にて農家の協力のもとで早春(3-4月)に耕し、春季(5月)に播種します。1反(約1,000平方メートル)の土地に対して50cmから1m間隔で播種します。その後は下草の管理を行います。現在6反ほどの土地があります。
気象・土壌のデータ取得:土壌温度を連続的に計測して発芽率を調べています。(国内でのデータは他にありません。)またクラウド方式による気象システムを置いて圃場の微気象データを記録します。
最初は成長はゆっくりですが、気温の上昇とともに7月から急速に葉を広げて幹が大きく伸びます。その様子をドローンで撮影して非破壊で葉面積を算定します。実証データとして途中で全バイオマスを取りだして大学に移送し、各部位のデータを取得します。(国内・海外ともに他に実測事例はありません。)
土壌水分をはじめとする土壌質の分析も行います。