コペルニクスを始めた理由は、既存のAIの延長では社会の根本課題を解決できないと考えたからです。多くのAI研究は枠組みの改良にとどまり、「AIとは何か」「知性とは何か」という問いに十分向き合ってきませんでした。私たちはAIを単なる道具ではなく挑戦のテーマと捉え、根源的な問いにプロダクトを通じて答えようとしています。その一つが、計算効率の壁を打ち破るアルゴリズム「Butterfly」です。従来数千台のGPUを要した大規模学習を大幅に軽減し、誰もが使える知識処理基盤を目指します。もう一つが「Fermina」で、人間の目では困難な金属の微小劣化をAIで検出し、安全と信頼を高めます。両者はいずれも人間の限界を超え、新しい知的基盤を築く挑戦です。私たちの目標は技術開発にとどまらず、社会の信頼性と持続可能性を高め、人々が安心して暮らせる未来を実現することです。そして次の挑戦として、量子コンピューティングを応用した「Daystorm」にも取り組み、従来計算では困難だった大規模問題の解決や未知の知識創出を目指し、未来の知的基盤を切り拓こうとしています。
私たちは「理念を形にする方法」として、基盤研究と応用展開の二層構造を取っています。まず、理論やアルゴリズムそのものを刷新し、既存技術では解決できない限界に挑戦します。これが「Butterfly」に象徴されるアプローチで、学習・推論の効率を根本から高めることでAIの裾野を広げています。同時に、その基盤を実際の社会課題に応用し、実用化を通じて価値を実証しています。これが「Fermina」による産業検査の変革です。従来は人の経験や勘に依存していた検査をAIに置き換え、誰でも再現性を持って実行できる仕組みを整えています。私たちは技術を単なる道具とせず、挑戦のテーマとして扱い、研究と実装を往復させながら事業を拡大してきました。理念を抽象的に語るだけでなく、社会に実装し、課題を解決することで「知的プロセスの再構築」を進める──それが私たちの成長のあり方です。また外部パートナーや研究機関と連携し、実証実験を繰り返すことで理論と現場を結び付けています。こうした協働体制により、単なる研究成果にとどまらず、社会で活用される形へと成長させています。「知的プロセスの再構築」を社会に届ける企業へと成長します。