人は、水生生物から生まれる様々なイノベーションを享受してきました。
代表的な例としては、オワンクラゲから発見された蛍光タンパク質が、現在はガン治療に活用されていることなどがあげられます。
その他、ロボティクスや建築、化粧品など様々な分野で水生生物の研究結果は活用されており、サンゴ礁に住む生体の研究からだけでも毎年5000億円の経済価値が生み出されていると言われています。
この地球上から、それらのイノベーションの種が失われようとしているのです。
いま、マイクロプラスチックや地球温暖化などの問題を受けて、世界的に海洋環境の問題が注目されております。その代表例とも言えるのがサンゴ礁です。
サンゴ礁は地球表面のわずか0.2%の面積しか存在しませんが、そこには、確認されている生物種だけで9万種(水生生物の約25%)の生物が生息しています。
しかし、20年後には地球温暖化による海水温上昇の影響で、多くのサンゴが死滅してしまい、その結果サンゴに依存した水生生物の多くが絶滅してしまうと言われています。
イノカは、水生生物の絶滅を防ぎ、人と自然が100年先も共生できる世界を実現したいと考えています。
「人と海が、いつまでも共生できる社会をつくる」ためには「環境保全と経済合理性が両立」が必要です。
しかし、現在は「片方を守るために、もう片方は我慢するしかない」という意識が根付いています。
この前提を取り払うためのロールモデルを生み出すこと、そして、両立が可能であることを誰もが信じて初めて、環境問題を根本的に解決することができると考えます。
「環境移送技術」によって技術革新を起こし海の保全を進めるのは、ロールモデルとなる事業や研究成果を多く生み出していくため。
そして同時に、大人も子どもも幅広い年齢層をターゲットにした環境教育事業も展開しているのは、海を守る動きを社会全体として加速させていくためです。