オンラインショッピングの広がりにより物流への負担が急激に増え、荷物を仕分ける物流センターでの作業負荷が増えています。多くの工場などではオートメーションが進んでいるものの、多くの現場では人が手で荷物を扱う場面が多く残っています。このような現場で働く人には高い負荷がかかり、様々な疾病を引き起こしている社会問題があります。そのうち腰痛は大きな課題になっており、日本での業務上の疾病のうち約57%が災害性腰痛というデータもあります。
ドイツをはじめとするヨーロッパの国々でも腰痛は大きな問題になっており、腰痛で欠勤などにより働けなくことによりGDP1%相当の240億ユーロの経済損失があると言われており、大きな社会問題となっています。
日本をはじめ多くの先進国では少子高齢化が進むことで、働く人々も高齢化し、同時に採用がより難くなることが予想され、人材の定着化や持続可能な職場環境づくりなどが期待されています。パワースーツの活用による生産性の向上に加え、重量物を扱うような現場に参入が難しかった女性やシルバー人材の雇用も可能になり、持続可能な社会を作ることへの手助けとなると考えます。
Cray Xパワースーツは、物流や工場など産業界で重量物を扱う人々の腰部を守るために開発されました。作業現場での重量物の取り扱い時に腰の負荷を最大25kg低減、8時間の連続稼働が可能です。従来オートメーションのロボット開発経験を持つメンバーが開発の中心となり、産業用途での利用に特化したパワースーツ製品を設計開発しています。最大25㎏のサポートを実現するために、産業用ロボットと同じギア・アクチュエーターを搭載しています。さらに自然な動きを実現する高度なメカトロニクス機構設計だけでなく、社内の理学療法士も開発に携わり、長時間の利用でも負担がない人間工学に基づいたデザインが特徴です。
また世界で初めてのコネクテッド・パワースーツとして、内蔵する各種センサー・データを収集、人の作業を可視化できます。常時通信を行うLTEモデムを搭載しICT技術を活用したインダストリアルIoTの取り組みとして、取得したデータはユーザー企業に公開、導入企業内での作業効率の改善、作業者の負荷を確認、スマート・ファクトリー/ロジスティクスの取り組みに活用いただけます。