今回、ゲストハウスをオープンしようと思い立ったきっかけは、2018年6月に行われたロシアW杯に現地観戦した際に、Airbnbでロシアの普通の集合住宅に泊まったのがきっかけです。『自分が海外のサッカーチームからオファーをもらって、最初に住み始めるとしたらこんな感じなのかな』と思いながら、近所のスーパーで買い出ししたり、行きつけのカフェを見つけたり、洗濯したり、家の周りをランニングしたり、公園でぼーっとしたり…、現地での暮らすように過ごした日々がとても素晴らしく、日本に観光に来る外国人旅行客の皆さまにそういったことを体験できる宿泊施設を提供したいという思いからスタートしました。
既存のゲストハウスは、1人ないし2人など少ない人数で宿泊し、同じ宿に泊まる初めて会った人たちとのコミュニケーションを楽しむものですが、実際は宿泊場所を単にシェアするだけで、宿泊費を安く上げるための手段として利用する人もおります。
そんな中、1日1組限定で、仲間と家族と恋人と、暮らすように過ごせるゲストハウスであれば、一緒に旅行した仲間といつもと違う雰囲気の中、より良い体験につながるのではないかと思い立ったのです。
本PJの舞台は愛媛県松山市内の往古は港町として栄えた三津浜エリアです。近年、多様な事業者が三津浜で空き店舗を利用し、直近5年以内では25を越えるショップや事業所がOPENし、まち散策を目的として観光客が足を運ぶ注目されつつある観光地です。道後温泉や松山市中心部に点在する史跡や文化施設が、一方通行的に観光客へサービスを提供する観光地であるのに対して、三津浜エリアは松山観光におけるゲストをもてなす応接間のような観光地である点に着眼しました。
観光客の増加で賑わいを見せつつある三津浜エリアですが、リサーチをする中で、大きく2つの課題があることに気づきました。1つめは、空き家が目立ち、周辺の住環境の悪化を招いていること。そしてもう1つは、散策が魅力の本エリアにおいて、宿泊施設の供給が十分ではなく、1日を通して暮らすように旅するための環境が整っていないということです。
空き家をリノベーションしゲストハウスとして活用することで、周辺住環境の向上と、三津浜エリアを暮らすように旅するための宿泊拠点整備を行い、三津浜エリアの飲食店利用や雑貨や土産物の販売促進などさらなる賑わい活性化を目指した事業です。