日本に於ける医薬品輸送の適正基準といわれるものは、一昨年に厚生労働省より発表されたGDPガイドラインです。2014年PIC/Sに加盟した日本ではこれまで管理基準が不統一であったり、輸送車両の乗務員に対する教育がまったくなされていないケースや教育内容も不統一でした。また近年、日本では軽視されてきた偽造医薬品に対する対策も、ハーボニー事件を機にセキュリティ対策や異常時の対応が見直されています。ガイドラインは数年後には省令化されるといわれ、グローバルスタンダードな医薬品輸送が求められています。
GDPガイドラインが適用される医薬品輸送の範囲は、原料輸送から製造現場、卸や医療機関を経て末端の消費者の手に届けられるまでと幅広い。現在弊社では医薬品原料メーカー様、医薬品製造メーカー様、研究機関や病院等の医療機関またそれらを利用される患者さまで対応しており、継続的に輸送している実績があります。但し輸送車両を介してのサービスに留まっており、医薬品ロジスティクスと呼べる医薬品専用物流倉庫での品質管理やシステム、原料、製品の輸出入拠点の確立、輸送車両のネットワーク構築といった「調達」「製造」「販売」に伴う物流プロセス全体をカバーするには単体企業では限界がある。医薬品に関わる全てのお客様に対し、付加価値の高い輸送を共同物流でコストメリットを還元し、シェアを獲得できるかどうかが成長の鍵となる。