シリアルアントレプレナーである文美月が、一社目でリユースに関わっていたこともあり、「もったいないものをつなぐこと」「利益を確保できるソーシャルビジネスの仕組みを作ること」に関心が高かった。「世界で最ももったいないものは何だろう?」と考えたときに思い浮かんだのが食べ物のロス問題だった。
日本の食品ロスは年間522万トン(R2年農水省推計)。これは国民一人当たり一日約130グラム、毎日お茶碗1杯分程度のご飯を捨てている量に相当する。自給率が38%と低く、大半を輸入に頼る日本にとって、昨今の不安定な世界情勢、円安の影響においての食品の価格上昇は切実な問題である。限りある食材や食品を無駄なく使っていくことは、資源循環社会と持続可能な世界を考えるうえで大きな課題。食品ロスを減らすことは、廃棄処理のために発生する温室効果ガスを減らし、環境負担の軽減、経済面での生産性の向上にもプラスの効果をもたらす。ロスゼロは「ロスが減る。笑顔が増える」という理念のもと、「もったいない」食べものに新たな価値を見出し、美味しいうちに消費者へ届けている。
ロスゼロは「ロスが減る。笑顔が増える」という理念のもと、「もったいない」食べものに新たな価値を見出し、美味しいうちに消費者へ届けている。日本には三分の一ルールという商慣習が根深く、余剰在庫が発生しがちであり、フードサプライチェーン上の問題が大きい。ロスゼロは主に食品メーカーで発生するロスに特化し、ソリューションを提供している。
【1】 食品ロスを活かすサブスク「ロスゼロ不定期便」運営。毎月の削減量は5トン。製造段階で発生した余剰品や規格外品を、一般消費者または企業につなぐBtoC。
【2】 EC。 同じく一般消費者または企業につなぐBtoC。食品ロスになった理由をしっかり消費者に伝える。価格で勝負しない。
【3】 未利用の食材に新しく付加価値をつけて生まれ変わらせる「アップサイクル・フード」のDtoC販売。「食べる理由がある」という思いを込めて「Re:You(りゆう)というロスゼロオリジナルのブランドを立ち上げた。企業の販促品としての購入も多い。
【4】 大学などでの講義・一般講演・企業研修での啓発活動。積極的に食品ロスや環境問題の情報発信にも取り組んでいる。延べ3000名に及ぶ。