『炎症性腸疾患(IBD)の患者様が、自分自身の唾液から繰り返し検査して健康状態を把握する』こんな理想を実現するために、わたしたちFiberMedicineは東北大学歯学部の先端技術から医療機器を開発することを目的に設立しました。
炎症性腸疾患は発症すると長期の治療を必要とする病気で、再燃期(症状が悪化している状態)と寛解期(症状が落ち着いている状態)を繰り返してしまう難病です。患者数は年々増加しており、日本で29万人、全世界では680万人いると推定されています。
問題は、従来の検査(血液検査、便検査、尿検査、内視鏡検査)だけでは、再燃期の予兆を的確につかむことが出来ず症状が悪化してしまっている場合があることです。そのために当社は『自分自身の唾液で簡単に繰り返し検査ができる技術』の確立を目指して、東北大学病院消化器内科と共同で研究を行っています。
これまで当社の資金で衛生士を雇用し、東北大学病院消化器内科と歯科部門における臨床研究、及び炎症性腸疾患(IBD)患者の唾液サンプルを用いてバイオマーカーを探索する研究開発を行ってきました。そして、東北大学病院臨床研究推進センターの知財部門と連携して知財戦略の事前相談、および同センターの開発推進部門と体外診断用医薬品の開発を進められる環境は整っています。
しかし当社の問題点は、唾液中の炎症マーカーを検出するイムノクロマト型キットの開発、及びバイオマーカーの候補を決定する研究資金、プロトタイプの作成費用、PMDAの申請するための支援料金等の資金調達が課題として残っています。