京大病院、医局関連施設との連携にT-ICUを活用
専門医による遠隔集中治療ソリューションの普及を図るT-ICUは、京都大学医学部付属病院のNICU(新生児特定集中治療室)と医局関連施設(以下、関連施設)である三菱京都病院、京都医療センターへ、弊社のシステムを導入し、関連施設との連携をサポートしていることをお知らせ致します。
【京都大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター センター長 病院教授 河井昌彦先生のコメント】
貴社(注:T-ICU、以下同様)のご尽力により、何とか三菱京都病院・京都医療センターと回線を結ぶことができ、診療の支援ができる体制が整いました。心より、御礼申し上げます。
本院 助教 岩永甲午郎先生を中心に、診療援助を開始し、三菱京都病院においてはネット回線を使った相談、情報提供が契機となって、素早い京大病院への転院が可能となった症例もあり、この体制が診療の支援に有益だと確信いたしました。できれば、近い将来京都北部などより医療資源の確保困難な地域の施設とも連携し、その診療を支援したいと考えています。
【本システムを貴社にお願いした背景】
現在の日本では、新生児科医の不足から、多くのNICUは人手不足の状態に陥っており、診療体制の維持に汲々としています。一方、幸いなことに京大病院には、多数の新生児専門医が在籍し、日々 ディスカッションしながら重症症例の診療に従事しています。
大学病院からもっと関連病院に派遣すればよいと思われるかもしれませんが、大学病院の医師の多くは、今 大学で学び、研究したいというモチベーションで大学に在籍しているため、人手不足の関連施設に赴任することを望まないのが現状です。
このため、関連病院の医師が孤立せず、いつでも大学の医師たちとディスカッションし、連携できる体制を作ることで…
1) その施設の診療がレベルアップし、患者さんの利益につながる
2) その施設で働く医師が、安心して重症症例の診療に従事することができる
3) 関連病院に赴任しても、大学との密な診療連携が継続できることで、そこへの赴任を望む医師が増える
といった効果を狙っています。
既存のオンラインチャットなどの回線を使っても、このような診療連携は可能かもしれませんが、患者さんの医療情報を扱う以上、セキュリティーが担保されなくてはなりません。そこで、すでにそのノウハウを持っておられるT-ICUさんの力をお借りした次第です。
以上
また、本取組は今年7月に行われた「第55回日本周産期・新生児医学会学術集会」にて、演題名「ICTを応用したNICU遠隔診療支援システムの開発と運用」の演題名にて発表されております。