業務提携とは?資本提携と違う?メリット、デメリット、流れを解説

  • twitterのロゴ
  • lineのロゴ

この記事をシェア

業務提携を考えている経営者の方もいると思います。
業務提携とは、いったいどのような内容を指すものなのでしょうか?メリット・デメリットや流れとは?
ここでは、業務提携についてお伝えしています。
これから業務提携を結ぼうと考えている方は、ぜひとも参考にしてください。

業務提携とは?資本提携と違う?メリット、デメリット、流れを解説のイメージ画像

業務提携とは

業務提携とは、いくつかの企業が資源を出し合い、協力体制をつくり上げることで、事業成長を図ること。
業務委託と似たような側面も持っています。

資本提携などと異なり、資本の移動が発生しないため、比較的簡単に緩やかに協業関係を結ぶことができます。

業務提携の種類

業務提携の3つの種類をお伝えします。

1.技術提携

A社のノウハウやリソースなどを使って、B社が製品開発を行うこと。
またA社、B社両方がノウハウやリソースなどを出し合って、一緒に商品・サービスを開発することを、共同開発提携と呼びます。

2.生産提携

A社がB社に生産方法や仕様を提供し、それに基づいてB社が生産すること。
A社は生産能力が不足している場合、B社の協力を得ることで大量生産ができるようになり、B社も生産ノウハウを高められます。

3.販売提携

販売提携とは、A社の製品をB社が販売することで生じる業務提携。
一般的にB社は販売力に優れ、A社の高品質な商品をより多くの人に広めることに一役買います。

業務提携のメリット

業務提携の3つのメリットを紹介します。

1.コスト削減につながる

新たに販売能力や生産能力、技術開発力などをつくるには、膨大な時間・コストがかかります。
もし事業が失敗すれば、費やした費用はすべて水泡に帰してしまいます。

しかし、業務提携であれば、新たに投資などする必要がありません。
コストをかけずスピーディーに求める能力が得られることは、業務提携の大きなメリットとなります。

2.他社の強みを活かせる

現在は、他社のノウハウやリソースなどもどんどん取り入れて、自社の製品開発を行う、オープンイノベーションの時代。
自社だけですべてのノウハウ等を得られればいいですが、変化のスピードが速い現代、すべてを社内で一からつくり上げていては、時代の流れについていけません。

業務提携を通じて、他社の協力を得られれば、自分たちでは思いもよらなかった新たなアイデアやノウハウ、リソースなどを得られる可能性が出てきます。

3.制約が少ない

業務提携は資本提携などと異なり、比較的緩やかな提携です。
自由度や独立性を保ちたいときは、業務提携の形をとるといいでしょう。

共同で事業を行うときの第一歩にも適しています。

業務提携のデメリット

業務提携の3つのデメリットを紹介します。

1.情報漏洩のリスクが生じる

自社の独自ノウハウやデータなどの情報が漏洩してしまう可能性が出てきます。
外部の人が持ち出したり、わざとではなくてもハッカーなどの手によって情報漏洩のリスクにさらされたりすることがあります。

そうならないためにも、秘密保持契約を締結したり、管理体制を構築したりすることが重要です。

2.トラブルに発展する可能性もある

業務提携をしたことで、利益の配分や費用負担などを求めて、トラブルに発展するケースも少なくありません。

このような事態を防止するためにも、あらかじめさまざまなことを想定し、契約書に明記しておきましょう。

3.提携関係が消滅しやすい

資本提携やM&Aと異なり、簡単に提携関係を結べる代わりに、自然と提携関係が消滅しやすいのも特徴です。

より強固な関係を結びたいときは、資本提携やM&Aを選択することをおすすめします。

業務提携の流れ

業務提携の流れをお伝えします。

STEP1.提携先を見つける

まず業務提携の目的を明確にしましょう。
そして、目的に合った提携先を見つけていきます。

提携先は、インターネットで検索したり、専門誌や業界紙を見たり、交流会に参加したりするなどして探せます。
また金融機関や公的機関の窓口に相談すれば、紹介してもらえることもあります。

STEP2.提携内容について話し合う

提携先が見つかったら、具体的な内容を調整・決定していきます。

まず交渉の段階に入ったら、秘密保持契約を結びましょう。
というのも、交渉の段階ですでにお互いの情報について開示することになります。
この段階で何かしらの情報が漏洩するリスクがあるといわざるを得ません。
万が一に備えて、秘密保持契約を締結することをおすすめします。

販売連携の場合、最低取引数量や形式、販売促進の方法などについて決めていきましょう。
技術提携の場合、提携範囲や用途、独占性、使用料などについて話し合います。
生産提携の場合、受発注の方法や生産方法、品質保証などを決定する必要があります。

STEP3.それぞれの役割分担や利益配分などを決める

双方に不満が生じないよう、それぞれの要望などを把握した上で、適切な内容へと落とし込んでいきましょう。

とくに知的財産や権利、成果物などの帰属先はトラブルに発展しやすいので、よく話し合っておく必要があります。

またどのような状況になったら、業務提携を解消するかなど、解消後のことについても明記しておくことをおすすめします。

必要に応じて、社外の専門家からアドバイスを受けることなども検討しましょう。

STEP4.提携先などについて調査を行う

提携事業は本当に実行される可能性があるのか、社内リソースや業務体制、資金調達、法規制など多角的に調べる“フィージビリティ・スタディ”や、提携先企業がどのようなリスクを抱えているかを調査する“デューデリジェンス(DD)”などを締結前に行います。

業務提携の場合、DDは省略されることも多々あります。

STEP5.業務提携契約書を締結する

それぞれの内容が定まったら、業務提携契約書を取り交わしましょう。
契約書内には、秘密保持の範囲や秘密保持義務、契約期間等についても記載します。

インターネット上に、業務提携契約書のテンプレートは散見しています。
それらを参考に、それぞれの契約書を作成するといいでしょう。

業務提携契約書は、トラブル防止のため重要な書類です。
最後は、問題ないか、弁護士に確認してもらうことをおすすめします。

業務提携を通じて、自社の利益をアップさせよう

「新しい事業を立ち上げたい。でも、人材や資金をすぐさま都合できない……」などのときに役立つ、業務提携。
業務提携を通じて、新業態などにチャレンジし、成功を収める企業は多数存在します。


今は、事業会社間だけでなく、スタートアップや自治体、大学などと多様なパートナーと共創で事業開発をするオープンイノベーションの時代です。オープンイノベーションの中でも業務提携は、出資を伴わないので比較的ライトに取り組めます。

自社だけで完結するのではなく、他社のリソースなども積極的に活用してみてください。
また、Creww株式会社では、スタートアップとの共創に特化したオープンイノベーションプログラムを支援しています。活用してみると新たなアイデアや事業が生まれ、思った以上の成功につながる可能性と出会えます。
今までオープンイノベーションプログラムを通じて業務提携し成功した事例はこちらでご覧いただけます。

  • twitterのロゴ
  • lineのロゴ

この記事をシェア

基礎知識

オープンイノベーションの基礎知識

アクセラレータープログラムの基礎知識

スタートアップの基礎知識

新規事業・事業拡大に関する基礎知識

イノベーションの関連知識