僕はプロダクトデザイナーとして、手触り感の充実したモノの存在を大切に思う一方で、無形のインターネットにも宇宙的な神秘を感じていて、その両者が融合した世界を生み出そうとSEESAWを作りはじめました。複雑なことを、本質を絞ってシンプルにヒトに伝えるインターフェイスが、きっとこれからは求められるはずで、SEESAWはそんな中でモノとしての心地よいタッチポイントでありたいと思っています。
SEESAWが大切にしたいのは、単なる情報デバイスとしての機能ではなく、情報に呼応するアートピースとしての充実感であり、生活におだやかに溶ける佇まいです。SEESAWという究極に表現を絞り込んだ器が、ユーザーそれぞれが「自分にとって大切なことは何か?」を考えさせ、その現在や未来を映し続け、やがてヒトに静かな気付きを与えるような存在、、、そんなプロダクトに育てたいと思っています。
1stプロトでは、SEESAWの下部にはいろいろ内部デバイスをつめた木箱がついているのですが、SEESAWの意味あいからプロダクトの「本来あるべき姿」を考えた時、やはりそれは不要なもの。実際、皆さんからそのような反応をたくさん頂きました。
SEESAWが「デバイス」ではなく「アートピース」として成立するためには、超えるべきハードルだと思い、それを実現する方法をあれこれ模索しております。